TVの音楽番組、コンサート中継、もしくはライヴハウスなど、バンドが演奏しているのを見る機会があると思います。
普通なら、ヴォーカリストの動きや表情、ギタリストの大きなストロークや高速ピッキング…。
さて、同じプレイヤーでもある皆さんは、どこに注目してバンド演奏を見ていますでしょうか?
足元の機材って何?
好きなメンバーを集中して見たりバンド全体を眺めたり、生演奏ならではの、録音源との違いを楽しんだりと、色々な見方があると思います。
ギターを弾く人間としては、やはりそのバンドのギタリストを見入ってしまうものです。使っているギターは?背後にセッティングされているアンプは?
そして一番気になってしまうのは、そのギタリストの足元の機材です。
「あの音はこのエフェクターを使っていたのか」
「このエフェクターを使っていたとは意外」
結局、足元はステージの最前列でもない限り、はっきりとは見えないのですが。
ギタリストであれば当たり前の視点なのですが、ギターを全く知らないという方には、ギタリストの足元に置いてあるものが何なのか、全く分からないと思います。
そこで今回は、ステージ上のギタリストの足元の機材について解説していきたいと思います。
ギターを弾くだけが演奏じゃない!
ギタリストの足元に置いてある機材は、まとめて「ペダルボード」などと呼ばれます。主に「エフェクター」という機材が配列されています。通常、ギターとアンプの間に接続されます。
エフェクターというのは、その文字の意味の通り「ギターの音を変化させるもの」で、ギターとアンプだけでは出せない特殊な音を生み出すことができます。
エフェクターの多くは筐体になっており、足の爪先で踏むのに適したOn/Offのスイッチが付いているものが多いです。
これをギタリストは、ギターを演奏しながらスイッチをOnにしたりOffにしたりして音を切り替えています。
どういった音の変化が生まれるのかは、個々のエフェクターによって異なりますが、曲調や雰囲気に合わせて音色を変化させ、楽曲をよりカラフルにしているんですね。
ギター・ソロなどギタリストが目立つところではギターの音を大きくするエフェクターを踏んだり、逆にヴォーカリストを引き立てる場面では、クリーントーンと呼ばれる歪んでない音に切り替えたり、という使い方です。
楽曲のイメージを決定付けるような積極的な使い方や、バックサウンドに回る場合、楽曲中でハッと驚かせる方法など、役割は多岐に渡ります。
実は、ギタリストは、ギターを弾く以外にも足元で色々なことをしているんですね。
ペダルボードってどうなっているの?
ペダルボードの内容は、ギタリストそれぞれの個性とこだわりが詰まったものになっています。
一般的なものを紹介すると、ギターのチューニング(調律)を合わせるための「チューナー」、ギターの音量を足元で調整する「ヴォリューム・ペダル」、リアルタイムで音質を変化させファンキーなリズムを生み出す「ワウペダル」、ギターソロの時に音を前に出させる「ブースター」、音を揺らす効果の「コーラス」、やまびこのような効果を得られる「ディレイ」など、様々な効果を持ったエフェクターが並んでいます。
これらを楽曲中のあるタイミングで、単独であったり複数組み合わせたりして使用します。
アリーナクラスの会場でライヴをするプロの場合は、足元にはヴォリューム・ペダルとワウ・ペダルだけを置いて、残りのエフェクターはステージ袖などでスタッフが音を切り替える、ということもあります。
ギタリストの足元からその人の個性が見えてくる。
簡単にですが、ギタリストの足元に置いてある機材、ペダルボードのお話をさせていただきました。
オシャレは足元から、というファッションのセオリーがありますが、ギタリストの場合は足元のペダルボードの内容に強いこだわりを持って演奏しています。
確かにギターとアンプのシンプル・セッティングで良い音が出せなければなりません。
ですが、エフェクターはさらにそのクオリティを高めてくれるものとして、現代のギタリストには必須です。
ギターを弾く人も弾かない人も、もし今後バンドの演奏を見る機会があれば、ギタリストの足元に置いてあるペダルボードも気にして見ましょう。今までは気が付かなかった、気になっていた音の秘密が分かるかもしれません。それが音楽をより深く楽しむ事にもなると思います。
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