子供の教育に音楽が良いことは広く知られています。
そして、子供にギターを教える場合は、クラシック・ギターを幼児教育の場で活用する方法が確立しているようです。
ロック・ギターで言えば、もちろん公教育で体系づけて教えられることはありませんが、親が英才教育を行い、メタル系の速弾きを子供の頃から教え込んだりするようなこともあるようです。
ギターに限らず、楽器は小さい頃から始めた方が良いとされています。
そのためには、子供が楽器に興味を持てる環境を、親が作ることが大切になってきます。
簡単なところでは音楽番組を見せることでも良いですし、親が弾いているものを見せて、自分も弾いてみたい、と思わせることがきっかけになります。
ギターの大きさ
もちろん、通常のギターでは、身体の小さな子供には大きいです。
子供が通常のギターを全く弾けないか、というと、必ずしもそういう訳ではありません。
ボイシングなどは、5歳以上の手の大きさであれば弾けると言われていますが(指が短いのでボイシングを作ったり、ポジション・チェンジは大変ですが)、右手のピッキングやストロークなどを考えると、やはり厳しいでしょう。
そのような場合には、子供用のボディが小ぶりな機種やネックの細い機種などから練習を始めていきます。
ロング・スケールのネックや、フル・アコースティック・ギターのような大きいボディのギターは、やはり避けた方が良いでしょう。
このようなギターを使っていると、どうしても無理な姿勢になってしまいます。
体に合ったサイズのギターを選べば、手に馴染みやすくなり、理想的なフォームを身につけることもできます(これは子供に限ったことではありません)。
エレクトリック・ギターでは、PignoseやFernandezのZO-3など、アンプ内蔵で通常のギターより一回り小さいモデルが発売されています。
Fenderからも、Stratocasterのミニ・タイプのものが発売されています。
アコースティック・ギターでは、MartinやYairi、YAMAHAなど各社からミニ・ギターが発売されています。
エレクトリック・ギターの場合、本物の音を感じるには、やはりアンプを通して練習させた方が良いと思います。
ヘッドフォンを使って練習する場合には、耳を刺激しないよう大音量では練習することのないように注意してください。
しかし、子供がヘッドフォンを使ってエレクトリック・ギターの歪んだ大音量を聴くのは、成長途中にある子供の耳にあまり良い影響があるとは思えません。
ギターの教え方
子供に適したギターが決まったら、いよいよ弾き方を教えていきましょう。
まずは自分が初心者だった頃の事を思い出して、弦の押さえ方から教えていくのが良いと思います。
子供の柔らかく弱い力では、1音をしっかり鳴らすだけでもかなり大変です。
完璧でなくても鳴らせるようになったら、スリー・コードなどの簡単なものが良いでしょう。
エレクトリック・ギターの場合には、パワー・コードを使った典型的なバッキングのパターンや、ブルース由来の定番リフなどを、いくつか教えると良いと思います。
教える時には、あまりスパルタ式でやってしまいますと、子供は嫌になって簡単にやめてしまいますので、根気よく優しく教えるようにしましょう。
まずは基本的な持ち方から教えてあげるのが良いです。
大人と違い、子供がギターを持つのは、体格的にぎこちなくなって正しいフォームが身に付きづらいですので、リラックスした姿勢で持つことがポイントとなります。
ネックの握り方や弦の押さえ方など、しっかり音を出すだけでも、教えることは山ほどありますが、焦らず根気強く子供と向き合うことが大切です。
注意しなければならないのは、同年代の友達に教えているのではなく、小さな子供に教えているという事です。
子供の集中力は当然ながら長くは続きませんし、力も弱く、何より教えられたことが出来ないと、すぐに他へ気持ちが移ってしまうでしょう。
練習ばかりでなくあえて別のことをしたり、色々な音楽を聴いて教えるのも良いです。
また、そろそろ飽きると思った場合は、その前に練習を終了したほうがいいかもしれません。
練習というよりも子供と一緒に音楽を楽しむ、といったスタンスで考えたほうが良いでしょう。
飽きっぽいのは当然のことですので無理強いはいけません。
何よりも楽器に触れることが重要ですが、始めのうちはただ弾いて音を鳴らすだけで十分です。
音を出して遊んでいるうちに音感が身につき、リズム感も養われてくると思います。
あくまで、幼児教育ですので、楽しく教えるようにしましょう。
また、一定の音楽ジャンルに拘らず、幅広く色々な音楽を弾いたり聴かせることが良いと思います。
つい親の好みばかりを教えがちですが、子供自身で自分の好みの音楽を見つけたり、早い時期から多様な音楽を理解を得ることが出来ます。
子供が好きな、簡単なアニメの曲のほんの一部でも弾けるようになると、途端に楽しくなって達成感も感じられることでしょう。
そうすることで、どんどん好きになっていくと思います。
この好きになった気持ちを大切にしてあげてください。
そしてギターには色々な可能性があるということが理解できるようになりますので、ギターや音楽への理解力、演奏の技術力はどんどん上がっていきます。
また、子供が弾きたいと言った曲や好きな曲を、一緒に練習することもとても大事で、モチベーションが一層と深まっていきます。
子供がある程度弾けるようになってきたら、友達や親戚などを集めてお披露目会をするようにすると、今度は人前で演奏することの楽しさや難しさを感じることが出来ます。
本人の気持ちも大切ですが、ギターを教えてくれる教室に通わせるのも良いでしょう。
プロの先生は、何より教え方が上手ですので、子どもの様子を見ながら、飽きさせないよう教えてくれるので上達も早くなります。
また、音楽教室には貸し出し用のギターもありますし、いきなりギターを買い与えるよりは、お試しの感覚で手軽に始められます。
子供にギターを買う場合、もちろん高いギターを買う必要はありませんが、国内メーカーの出している入門用機種なら、問題なくある程度の技術が身につくまで使用できます。
ギターは子供だと何歳くらいから教えればいい?
子供に早い時期から音感教育を行うことで、音の認識力が活性化され、その後の音楽教育において有利になるそうです。
つまり、音楽は小さい頃から始めた方が、演奏力も音感も鍛えられるということになります。
初めのうちから理論的に教えてしまうと、ギターや音楽が嫌になってしまうかもしれません。
理論は後からいくらでも学べますので、まずは感覚をしっかりと養うことが大事だと思います。
Youtubeなど、今では手軽に無料で教則動画が見られますので、それを子供に見せるのも良いでしょう。
村治佳織さんの場合
クラシック・ギタリストの村治佳織さんをご存知でしょうか。
今や村治さんは、クラシック界だけでなく、ロック・ギタリストにもその名を知られる方です。
彼女は3歳の頃から、お父さんからギターの手ほどきを受け、毎日厳しい訓練を行っていたそうです。
10歳からは、クラシック・ギタリストの福田進一氏に師事しています。
そしてその僅か1年後、ジュニア・ギター・コンテストで最優秀賞を受賞されます。
3年後にはブローウェルコンクール・ 国際ギターコンクール(東京)と東京国際ギターコンクールで優勝を果たし、その翌年にデビュー・コンクールと、デビューCDを発売しています。
彼女はテクニックもさることながら、クラシック以外の音楽への理解も幅広く持っているギタリストです。
村治佳織さんのお父さんである村治昇さんは、ギター早期才能教育教室を開いています。
子供のギター教育の第一人者で、ギターの教本や早期ギター教育に関する書籍を出版されています。
村治昇さんの教室の場合には、4歳前後からレッスンを受けられるそうです。
4歳前後という年齢は、先生の真似ができて、言葉が理解できる年齢ということです。
先生の真似というのは、つまり、ギターを先生と同じように押さえる事ができるということです。
言葉が理解できるというのは、コミュニケーションが取れるということです。
この時期が「教える」事を始めるのに、最も適した年齢なのかもしれません。
幼少期から始める影響
ここまで書いてきた通り、音楽教育は早いほど良く、他の子供と比べても練習時間も長くなるわけですので、遅い年齢と始めた場合に較べると、当然に上達に差がつきます。
絶対音感も、6歳までに適切な音楽教育をすることで身につくと言われています(絶対音感があることと、優れた音楽家であることは、実はあまり関係ありませんが)。
また、脳の発達に関しても、6歳で楽器を始めるのと、8歳で楽器を始めるのとでは大違いであると言われています。
幼少期に音楽に触れることで、脳は飛躍的に進化し、その子の生涯に渡って大きな財産となることが判明しています。
4歳から7歳は小脳が発達する時期で、おけいこ事が非常に脳に良い影響を与える時期でもあります。
早い時期にレッスンを受けた子供たちの方が、IQテストや運動神経が良くなるようです。
また、手指の動きや両手の強調に関わる運動神経の臨界期は、7歳から11歳あたりだと言われています。
「聴く」能力は4歳から6歳がピークとなり、その後は横ばいとなっていくようです。
なので、4歳から6歳くらいまでに、さまざまな音楽を聞き、歌い、弾く体験を重ねることで、バランス良く音に対する興味が育って、音感は理想的に育っていくと考えられています。
ただし、例外もあり、管楽器や声楽のように心肺機能がある程度発達するまで待った方が良いものもあります。
ギターもなるべく早く始めたほうが将来的に良い影響があるのではないでしょうか。