boss tr-2(トレモロ)の評価レビュー。音作りやセッティング等についてをお届けします。
boss tr-2(トレモロ)の評価レビュー。音作りやセッティング等
トレモロというエフェクターは細かくギターの音量を上下させて広がりを持たせるものです。
リバーブと共にサーフミュージックには欠かせないアイテムでした。
しかしコーラスやフランジャーといったより広がりが出るエフェクターの登場で1980年代にはほとんど見かけなくなりました。
その後90年代のネオ・サーフミュージックの流行とヴィンテージエフェクターブームでトレモロは再び脚光を浴びます。
そうした中BOSSはトレモロのTR-2を1997年に発売します。
シンプルなトレモロエフェクター
ここ20年位のBOSSのコンパクトエフェクターは変わった機能が必ずと言っていい程ついています。
しかしTR-2はいたってシンプルな作りでコントロールも3つしかありません。
RATE・・・トレモロのスピードを調節します。
DEPTH・・・トレモロの変化する幅を調節します。
WAVE・・・トレモロの変化の仕方を調節します。
本当に至ってシンプルです。実際の音を聴いてみましょう
実はコントロールの中にあるWAVEがなかなかBOSSらしいものになっています。
これはツマミを右に回し切るとギターの音がオンとオフにされるような変化となり、左に回し切ると滑らかな音の変化となります。
下記動画の0:55からWAVEを左に回し切った音。結構ヴィンテージのトレモロっぽい雰囲気な音です。
同じ動画で1:24辺りから右に回し切った音を聴くことが出来ます。
細かくギターの音が途切れてるように聴こえますね。
初めてトレモロを購入しようとしている人に向いている
またTR-2の前の機種PN-2だとパンニング機能がついていたり、テンポがLEDの点滅にわかったりと結構多機能だった分、機能がざっくり減った感があります。
アナログエフェクターなのでタップテンポも付いていません。
この辺が使いにくいと感じてしまう人もいるかも知れません。
しかし逆に言えば初めて使う人にも簡単に使えるとも言えます。
特に悩むことなく、すぐ使う事が出来るでしょう。
攻めのセッティング
やはりトレモロというとサーフミュージック的なサウンドを連想します。
しかし、それ以外にも面白い使い方もあります。
TR-2の前にハイゲインのディストーションを繋ぎ、WAVEのツマミを左に回して使用するものです。
下記動画の1:15辺りから聴くことが出来ます。
あまりこういうサウンドはサーフミュージックでは聴きませんね。
マシンガンっぽいフレーズが中々面白いです。
次の動画は空想委員会の方が弾いている動画です。
この動画の3:50辺りからディレイとTR-2を組み合わせた不思議な音を出しています。
これもちょっと独特ですね。
どれをとってもつまみをMAXにしたり極端なセッティングにしてみると強い印象を与える効果が得られるようです。
使いどころ
サーフミュージック以外での使いどころはというと、例えば上記の攻めのセッティングの時に力を発揮します。
マルチエフェクターやデジタルだとどうしても効果が強すぎたり、飛び道具で一瞬しか使わないのにそれ用にEQを調整したくなるようなエフェクト音になってしまう事が多いです。
その他にも、ライブ中やリハーサル中にもう少しスピードを調節したいという時にもコンパクトエフェクタータイプのTR-2が活躍します。
最近は操作がしやすいマルチエフェクターが増えてきましたが、セッティングに時間がかかったり他のエフェクトとのバランスがとりづらい時があります。
急な時の応用力はコンパクトエフェクターを持っててよかったと思う事が多いです。また、BOSSはペダルが踏みやすいというのも他のブランドにはないオススメポイントですね。
まとめ
良くも悪くもTR-2は至って普通のトレモロです。
もっと安いトレモロも最近は多いのと、マルチエフェクターにも入っている事も多いので、トレモロ単体と考えると、価格がちょっと高いかなという印象は拭えません。
正直初めて買うエフェクターとしてはお勧めしにくいです。
ただTR-2に関しては理屈抜きで、なんというか名機なのです。
最近の優秀なエフェクターも良いのですがこの何にもできない感じがいつの間にか愛らしくなってくる力がTR-2にはあります。
トレモロは絶対アナログ!エフェクターはコンパクト!といったような人にはおすすめです。
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