アーニーボールの弦の特徴や種類・おすすめは?

今回は、ギター・ベース弦ではダダリオと並んで人気が高く、世界で初めてエレキギター専用の弦を開発したアメリカの老舗ブランド、アーニーボールの、弦の種類について解説していきます。言わずと知れたエリック・クラプトンやジェフ・ベックなど、世界の一流アーティストの愛用者も多く、トップメーカーとしての絶大な地位を維持しています。

アーニーボールについて

創業者アーニー・ボール氏(1930年〜2004年)は、ミュージシャンとして活躍したあと、1957年アメリカで世界初のギター専門店を開きます。

1960代になりロックリバイバルにあたり、当時みんなが使っていたフェンダー「#100ミディアムゲージ弦」では、初心者では3弦0.029インチが押さえにくいため、3弦だけ0.024インチにするようにフェンダーに提案しましたが断られてしまいます。

そこで、ボール氏は弦メーカーにボール氏の店で売る3弦の0.024インチになった特別セットを造ることを納得させ、それがアーニーボールブランドの始まりとなります。

当時の店のお客さんであったミュージシャン達が、6弦を捨てバンジョーの1弦を使うことに注目して、独自の軽いゲージのセットに「アーニーボール・スリンキー」という製品名を付け、弦メーカーに注文します。

このスリンキーは、プロミュージシャンの間で評判となり、多くのオーダーを受けることとなり、ボール氏は実店舗を売却し、弦ビジネスを起こします。今では、エレキギターだけでも200通り以上の組み合わせと商品が存在し、ビギナーであってもプロフェッショナルであっても、演奏技術や演奏スタイルに合った弦をきっと見つけられるはずです。

特徴

アーニーボール弦の特徴は、テンションが弱く弾きやすい上に、きらびやかなサウンドがすることです。

中高音域の倍音が出やすいため、粒が細かくて音抜けがよく、シングルコイルピックアップギターとの組み合わせは最高です。

ですがその分、巷ではダダリオなど他のブランドの弦に比べて寿命が短いと言われています。雑に扱うとすぐ切れると感じる奏者も多くいます。

張りたてのサウンドは最高なのですが、1ヶ月は持たず、2週間くらいで交換が必要になる、しかしアーニーボールを使うともう他には戻れないという声も多く聞きます。

ただ、現在では最新技術を応用した弦のラインアップも多くあります。例えば、超高強度スティールや、独自の特許技術であるストリングス・ボール・エンド・ツイスト部へのレインフォースメントが張力と耐久性を高めており、弦へのダメージの大きな激しいプレイスタイルでも、長期に渡りチューニングを安定させます。また、エヴァーラスト・ナノトリートメントという革新的技術でプラズマ加工が施されたラップ・ワイヤーは腐食耐性を高めており、汗や皮脂、空気中の埃などのトーンを損なう物質の弦への蓄積を減らしています。

アーニーボールの弦には本当に様々なラインアップがあり、誰にでもピッタリの弦が必ず見つかります。自身の耳で聞いた音、弦を押さえた時の感触、欲しいサウンドを求めて、とにかく一度試してみましょう。日本中の5,500以上もの楽器店で販売されています。下記のシリーズを参考にしてください。

 

種類

ここでは通常の6弦ギター用を表記します。細めのゲージの弦は、手の指の皮が柔らかくてもベンディングやチョーキングもしやすく、きらびやかなサウンドで、主にビギナーに好まれます。ヘビーでラウドなプレイスタイルを望むなら、もちろん太めのゲージの弦が最適です。

 

#スリンキーシリーズ

・レギュラースリンキー

ニッケルワウンド弦、0.010、0.013、0.017、0.026、0.036、0.046です。

・スーパースリンキー

ニッケルワウンド弦、0.009、0.011、0.016、0.024、0.032、0.042です。

・ハイブリッドスリンキー

1〜3弦がスーパースリンキー、4弦〜6弦がレギュラースリンキーと同じ太さになっています。

・エクストラスリンキー

最も細い組み合わせです、0.008、0.011、0.014、0.022、0.030、0.038です。

・パワースリンキー

レギュラースリンキーよりワンランク太くなっています。
0.011、0.014、0.018、0.028、0.038、0.048です。

・スキニートップヘビーボトム

ヘヴィーボトムですがアーニーボールのブライトなサウンドが適度に残っています。0.010、

0.013、0.017、0.030、0.042、0.052です。

・ビーフィースリンキー

テンションの強い、ドスの効いたパワフルなバッキングが弾けます。
0.011、0.015、0.022、0.030、0.042、0.054です。

・ノットイーブンスリンキー

最も太い弦です、ドロップチューニングによって図太い低音が得ることができます、0.012、0.016、0.024、0.032、0.044、0.056です。

#Coated シリーズ

芯線にエナメルを焼き付けることにより超極薄のエナメルコーティングを実現しています。

#Cobaltシリーズ

世界初の、鉄とコバルトを調合して作ったマグネティック金属を作った弦です。

#Classicシリーズ

ピュアニッケルメッキの巻き弦を使用した弦です。
きらびやかなサウンドで、70年代から80年代のロックやブルースに合います。

#Paradigmシリーズ

2017年7月に登場したシリーズです。

プレーン弦はハイカーボンスチール素材にスズメッキを施し、巻き弦はスティール素材にニッケルメッキを施し、芯線に巻き付けた後にエヴァーラストナノトリートメント処理を行うなどして、世界一切れにくく・錆びにくい弦を実現しています。

 

おすすめ

レギュラースリンキーが、世界標準のギター弦と言っても過言ではない程、多くのギタリストに愛用されています。スズ・メッキ・ヘックス・スティール・コア(六角形をした芯線)にニッケル・メッキ・スティール・ワイアーを巻いたワウンド弦と、高硬度スズ・メッキ・ハイ・カーボン・スティールのプレーン弦を組み合わせたギター弦です。癖がなくバランスのとれたサウンドは、ジャンルを問わず幅広く使用でき、鳴りの良い弦で適度な硬さがあるため、アタック音が出やすいサウンドになります。

もうすこしほそい弦が好みの方は、スーパースリンキーにするとテンションが下がり押さえやすくなります。サウンドも癖のないマイルドな音になりますよ。

新しいものが好きな方はParadigmシリーズを試してみると良いと思います。最新、最高の技術が投入されています。ぜひ、お気に入りの弦を発見してくださいね!

 

ジムダンロップの弦の評価ついて

ジムダンロップの弦は、同社のピックに比べると少しだけ地味な存在ですが、製品自体は良いです。

ウォームでアグレッシブなミッドレンジ、優れたダイナミックス、スムースなフィーリング、バランスの取れたレスポンスを謳っています。

パッケージから弦を取り出すと、他社の製品に比べると弦の全長がとても長くなっています。

弦の寿命は比較的長持ちするタイプです。

ロックミュージシャンのシグネチャーモデル弦を発売しています。

通常モデル

・DEN 0942

スーパーライトゲージに相当するダンロップの弦です。
ダンロップではスーパーライトゲージ以下のセットをラインアップしていませんので、最も細いゲージのセットになります。

0.009 0.011 0.016 0.024 0.032 0.043

・DEN 0946

DEN0942とDEN1046の中間に位置します。
プレーン弦を細くすることにより、リードプレイ時の弾きやすさが向上しています。

キレのある高音とパワフルな低音が絶妙のバランスに仕上がっています。

0.009 0.011 0.016 0.026 0.036 0.046

・DEN 1046

ダンロップの定番モデルです。

0.010 0.013 0.017 0.026 0.036 0.046

・DEN 1052

ダンロップの定番セットDEN1046のラウンド弦だけを太くしたセットです。

ハードロックやメタルなど、ラウド系ミュージックの演奏に最適です。

0.010 0.013 0.017 0.030 0.042 0.052

・DEN 1150

ミディアムヘヴィゲージに相当するセットになります。

一般的なミディアムゲージとヘヴィゲージの中間に位置します。
レギュラーチューニングあるいはダウンチューニングで使用すると良いです。

0.011 0.014 0.018 0.028 0.038 0.050

・DHCN 1150

DHCNシリーズはダウンチューニング専用玄として販売されています。

すべてのセットに通常モデルよりも太い芯線を使用しています。

これにより通常のセットよりも押さえる力が必要ですが、ダウンチューニングすることで適切なテンションとなります。

レギュラーチューニングで使ってももちろん大丈夫です。

0.011 0.014 0.018 0.028 0.038 0.050

・DHCN 1254

0.012 0.016 0.020 0.032 0.042 0.054

シグネチャーモデル

・ZAKK WYLDE 1046

ザック・ワイルドのシグネチャーモデルです。

ザック・ワイルドモデルが通常のセットと違うのはテンションの高さであり、ライトゲージながらパワフルなサウンドを鳴らすことが出来ます。

ずっしりとしたダークなサウンドは、ロックやハードロックに演奏に最適です。

0.010 0.013 0.017 0.026 0.036 0.046

・ZAKK WYLDE 10-60 CUSTOM HEAVY

ザック・ワイルドのシグネチャーモデルです。
ワウンド弦だけが一回り太くなっているのが特徴です。

パワフルかつ粘りのあるサウンドで、ラウド系ミュージックのギタリストから高い評価を受けています。

0.010 0.013 0.017 0.036 0.052 0.060

・KKN 1052

スレイヤーのギタリスト、ケリー・キングのシグネチャーモデルです。

ダウンチューニング用の6弦が別に付属されています。

テンションが高く、尚且つ高品位な材質をつかっているため、激しい演奏をもろともしない耐久性を持っています。

0.010 0.013 0.017 0.026 0.036 0.046+0.052(ダウンチューニング用)

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