2020年も近くなってきて音楽に関しては時代の流行というのをあまり感じなくなってきました。
インターネットの発達かそれぞれが本当に好きなものを追求しているという印象を受けます。
boss mo-2の評価レビュー。音作り
90年代風J-POPだったり70sニューウェーブだったり、本当に自由で楽しいですね。
筆者がギターを始めた時はメロコアパンクやミクスチャーが全盛でハードロックやメタルは「ダサい」という風潮でした。
話が逸れましたが今回紹介するのはBOSS MO-2 Multi Overtoneです。
これまで皆さんに色々なエフェクターを紹介して参りましたが、このMO-2は今までと少々経路が異なります。
というのも、Multi Overtoneという名前を聞いただけで、どんなエフェクターか想像できますか?
聞いただけで音を想像できる人は恐らくギター上級者の方でしょう。
さて、MO-2とはどんなエフェクターなのでしょうか?
プログレッシブロックやニューウェーブ好きにはたまらない音ですよ!
BOSSの新技術MDP搭載の新感覚エフェクター!!
BOSSの新技術であるMDP(Multi Dimensional Processing)を搭載した本機。
MDPというのは要するに「ギターからの信号(音程、強弱など)を色んな角度から解析して加工する」という複数の処理をエフェクターの中でするということです。
文字だけでは分かりにくいかもしれませんが、実はコレ中々すごい技術なのです。
昔は同じような効果を出そうと思っても、思うように音を感知してくれなかったり、処理して音を出すまでに時間がかったりして弾いている時にストレスがたまっていました。
一見初心者向けに思われがちなBOSSですが革新的な機能を出したり、技術を開発してくれます。
歪みならこのメーカー!、空間系ならこの機種!など、各メーカーでの強みがあって面白いですが、1つの分野だけなく色んな分野でもおすすめできるというのはBOSSならではの強みのように思いますね。
今回の新技術でBOSSのおすすめ度がグーンと上がっています!
MO-2はコーラスやフランジャー等の「モジュレーション系」に分類されるものだと思います。
しかし、一筋縄ではいかないのがこのMO-2です。
コーラスでもあり、ピッチシフターでもあるのです。
以下で詳しく見ていきましょう。
変わり種?でもクセになる!
このMO-2は上記したようにコーラスでもあり、ピッチシフターでもあります。
それぞれ異なる効果を同時に出すというのが一番わかりやすいかと思います。
ただ本来複数のエフェクターで行う処理を1台で行うということからか、趣はかなり異なるものとなっており、12弦ギター風の音であったりハモンド・オルガンのような音を出すことも可能となっています。
常にONで弾くような音ではありませんが、楽曲の新たな可能性を広げるような、クセになる音を出してくれます。
MO-2のセッティング
コントロールはBALANCE、TONE、DETUNE、MODEの4つ。
BALANCEでは原音とエフェクト音のバランスを調整します。
原音にうっすらとエフェクトをかける、エフェクト音だけを出力してギターっぽくない音を作るというのも面白いですね。
TONEは他のエフェクターと同じように音の明るさを調整します。
耳に痛くない範囲で調整しましょう。
MO-2の音作りのキモとなるのがDETUNEです。
ここでは「音の揺れ」を調整します。
この揺れがどのような原理で生まれるかというと、元入力の音程を微妙にずらすことでコーラスのような効果を生みます。
右に回すほど音程差が大きくなります。
9時くらいの位置だとコーラスのような効果、3時を過ぎるとオルガン風の、コーラスでは得られない強烈な揺れを体感できますよ!
そしてMODEではどの音程の音を出力するかを決定します。
3つのモードからなっており、MODE1では「原音+1オクターブ上の音」、MODE2は「原音+1オクターブ上+原音と同じ音程のエフェクト音」、MODE3は「原音+1オクターブ上+1オクターブ下」となっています。
モードが進むにつれシンセサイザーのような音になると思うとわかりやすいかと思います。
それぞれ効果が全く違うので好みのサウンドを見つけて見てくださいね。
筆者オススメのセッティングはMODE1でDETUNEを抑えめ、原音を強く出してギターソロ時の音の厚みを強化するという使い方です。
ギターっぽさを全面に押し出し、ブースターだけでは得られない効果を狙ったものです。
ショートディレイでダブリング効果をかけている方はきっと気に入ると思います。
どちらかというとミドルポジションやアルペジオでも使いやすいセッティングとなります。
MODEを変えて使用する場合は原音をカットしてシンセサイザー的な音で使うのも良いです。
さらに付点八分でディレイを加えるともはやギターじゃないような音さえ出せます。
こちらはハイポジションでスケールに合わせての単音弾きをするとフワフワとした不思議なグルーブが出せます。
SE音やインスト系のバンドで使うのも面白いと思います。
曲によってはMODE1でアクセントとして頻繁に使いたい場合と、MODE3で飛び道具としてここぞという場所で使いたい時が合って悩むくらいです。
素晴らしいのは、これだけ複数の処理を行うデジタルエフェクターなのにレイテンシー(音の遅れ)がほとんど無いことです。
昔のオクターバーなんかはピッキングしたあと微妙に遅れて音が出てきて「いっこく堂」みたくなるものも多かったのですが、最近の技術ってすごいですね・・・。
MO-2はかなり遊べるエフェクター
MO-2は一言では表せない新感覚のエフェクターであることがわかりました。
筆者もメーカーのサイトを見たり、試奏動画を見ただけでは「飛び道具」的なエフェクターなのかなと思いましたが実際に演奏してみて、王道のロックでも使える守備範囲の広いエフェクターであると感じました。
出せる音の幅が広いので一日中これで遊んでいられますね(笑)
一味違った、耳に残るギターサウンドを作りたいというギタリストには是非実際に演奏してほしいエフェクターです!
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