BOSS DS-2ターボディストーション。
ハードに歪むディストーションでありながらも、ピッキングの強弱やギター・ボリュームに対するレスポンスも素直に反応します。
1987年に発売されて以来プロ・アマチュア問わず多くのギタリストが使用しています。
boss ds-2のレビュー。使い方やセッティング・ブースタとしての使用について。
有名なところでは元RED HOT CHILI PEPPRSのジョン・フルシアンテ、NIRVANAのカート・コバーンが使用しています。
DS-2はBOSSが最初に出したディストーションDS-1の後継機だったのですが、現在はDS-1、DS-2とも生産されています。
ドンシャリ系の歪みをつくるならDS-1。さらに用途を広げるならDS-2を選ぶと良いでしょう。2つの異なるサウンドキャラクターが楽しめます。
DS-1とDS-2の最大の違いはDS-2には二つのモードがある事です。
モードによって異なるキャラクタ-
BOSS DS-2のコントロールはLEVEL(音量)、TONE(トーン)、DIST(歪み)の3つとモードI、モードIIの切り替え用ツマミがあります。
モードIとモードIIではどのように違うのでしょうか?
DS-1に近いモードIと深い歪みのモードII
モードIは全く同じではありませんが、BOSSの全てのディストーションの基本であるDS-1を踏襲してします。
ディーストーションの定番的なサウンドです。エッジに聞いた中音域が特徴で、パワーの弱めなシングルコイル系のピックアップでも、クランチから図太いディストーションサウンドまでカバーできます。
モードIIはそれに対し中音域がより強調されより深く歪んだ音になります。
中音域がブーストされてリードギターに最適で粘りのあるハイゲインサウンドです。2つの歪み回路が搭載されているわけではなく、フィルターの切り替えによってサウンドを変化させています。重くダークなサウンドから、エッジの効いたブライトなサウンドまで表現できます。
実際に音を聴いて見ましょう。
例のあの曲のリフですね。
1:24辺りからモードIの音、1:43辺りからモードIIの音になります。
モードIの方が、ややくぐもった音に対してモードIIは中高音域が出ていますね。
ちなみにRED HOT CHILI PEPPERS時代のジョン・フルシアンテはモードIIを使用しDISTとTONEをフルにして使用していたそうです。
次の動画はそのセッティングで弾いています。
ファズの代わりにDS-2を使ってみる
NIRVANAのSmells like teen spiritやRED HOT CHILI PEPPERSのDani Californiaのサビの部分はファズっぽく感じますがそれぞれDS-1とDS-2を使用しているそうです。
そこでDS-2をファズの代わりに使えないかと 思いました。
ところがモードIにせよモードIIにしても、DS-2はBig Muff等のファズに比べると低音が足りない感じがします。
しかしバンドの中での演奏となるとベースやドラムの邪魔をせず、しかも抜けてほしい音域は抜けてきて低音が足りないと感じません。
この辺りはさすがBOSSだと思います。
ファズを使うと音が抜けてこない場合は代わりにDS-2を使用してみてもいいと思います。
DS-2をブースターとして使ってみる
もちろんブースターとしても使えますが、モードI、モードIIで使い方が変わります。
モードIはクランチ系のバッキングでソロをディストーションにしたい場合等にいいでしょう。
次の動画はモードIでブーストしている動画です。
0:35辺りから聴けます。思ったより素直な上がり方をしています。
モードIIは中音が強調されるのでギターが二人いるヘヴィな音のバンドのブースターに向いているのではないでしょうか。
どちらもDISTを1にしてREBELを上げて使います。
DS-2はモードIとモードIIという2種類のディストーションがひとつになっているようなエフェクターです。
とりあえずディストーション欲しいけどどれ買えばわからない方にはおすすめです。
もちろんジョン・フルシアンテになりたい方には必須のアイテムと言えるでしょう。
「ターボ」って何?
DS-2はDS-2 TURBO DISTOTIONという商品名です。
そして、より歪むモードIIは発売当時「ターボモード」とも呼ばれていました。
TURBOモードのⅡを選びDISTノブを最大にすれば過激なファズサウンドが出来上がります。またセンターに設定すると、中域を激しくブーストした粘りのあるリード・ギターに最適なサウンドに、TONEとDISTを最大の設定にすると、圧巻のハイゲイン・サウンドを体験できます。フットスイッチを接続すれば、演奏中にノーマルモードとターボモードを切り替えることもできます。
「ターボ」だからすごいというのは車好きな方からすれば「?」となるかと思いますが、昔の車は早く走るように改造した場合、必ずエンジンは空冷式、つまり「ターボエンジン」になる事が多かったのです。
そのせいか「ターボ」にすればその分すごくなるといったイメージでターボという名称にしたのだと思います。
また、DS-2が発売されたちょっと前に、2つのモードがあるオーバードライブ、OD-2 TURBO OVERDRIVEも発売されました。
OD-2の場合は「モードI」「モードII」といった分け方でなく「TURBO」のON/OFFの切り替えになっています。
BOSSはOD-1とDS-1の両方の後継機種OD-2、DS-2と発売したわけですが、OD-2はあまり売れず、途中でバージョンアップ版のOD-2RTURBO OverDriveを出しましたが、やはりあまり売れませんでした。
OD-2はOD-1のようなナチュラル感があるものの、OD-1に出来てOD-2に出来ないものがありました。
それはレベルを上げてもブーストされないのでブースターとして使用できない事です。
DS-2はある意味DS-1に機能を追加され、DS-1と同じ使い方も出来た事を考えるとちょっと不思議な仕様だなと思います。
結果的にDS-2は今でも生産されていますが、OD-2は20年以上前に廃盤になっています。
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