カラオケの採点基準にもなっている「しゃくり」「こぶし」「フォール」「ビブラート」の4つ。
これらのテクニックを用いれば、歌の完成度も高くなりカラオケで高得点を狙うことができます。
この記事ではそれらの用語の意味と出し方、コツを徹底解説していきたいと思います。
カラオケ加点テクニック「しゃくり」とは?
「しゃくり」とは、ある音程を出す前に低い音程を出してから本来の音程に戻すというテクニック。
「しゃくり上げる」という言葉が由来で、下げて→上げるといったイメージです。
「しゃくり」を歌に入れることでどんな効果があるのかというと、歌に「深み」が出せたり、「表現力」につながります。
しゃくりを出すポイントは歌詞の「母音」に注目
分かりやすく「しゃくり」の表現が出ているのが福山雅治さんです。
例. 福山雅治/『家族になろうよ』
サビ部分「いつかお父さんみたいに大きな背中で〜」の「お父さん」の「お」〜「と」に流れるようにしゃくりを入れています。
(母音「お」に意識→(音をだんだんと込み上げていくイメージ)→「と」)
会話の例として、英語で「You」と発音するとき「ゆう」ではなく「いゆぅ」という発音になりますよね。
「ある音程を出す前に低い音程を出してから本来の音程に戻す」=本来の音程「ゆ」を出す前に低い音程「い」を出すということになります。
歌も同じで、英語っぽい日本語を歌うアーティストはかなりこの「しゃくり」を多用していると思います。
しゃくりのイメージがまだ分からないという場合にはしゃくりが比較的多い歌手と、比較的ストレートに歌う歌手を挙げますので、歌い方の違いに注目して聴き比べてみてください。
「しゃくり」を比較的多用するアーティスト
・福山雅治
・稲葉浩志(B'z)
・hyde(L'Arc-en-Ciel )
・TERU(GLAY)
・松田聖子
・椎名林檎
しゃくりが比較的多いシンガーの共通点としてはロック系のシンガーだったり英語風に歌うときや色気を出す時に「しゃくり」を用いたりします。
「しゃくり」を比較的表現せずストレートに歌う歌手
・平井堅
・Fukase(SEKAI NO OWARI)
・草野マサムネ(スピッツ)
・つじあやの
しゃくりを比較的表現しないシンガーの共通点は、「装飾をしない歌い方」というところにあります。そのため歌詞がストレートに聞き取れる、カラオケ初心者にも歌いやすい曲が多いということが挙げられます。
カラオケ加点テクニック「こぶし」とは?
「こぶし」とは、一瞬だけ音程を上下させるテクニック。
演歌や民謡、浪曲で楽譜には表記されない微妙な「節回し」の歌い方からそのように呼ばれるようになったと言われています。
漢字表記をすると「小節(こぶし)」となります。
「こぶし」は『装飾音』なので歌詞に入れる、入れないはその人の好みで様々です。
「こぶし」を入れることで歌に「表現力」が生まれます。
こぶしを出すポイントは音程を上下に動かすスピードを意識
「こぶし」の表現がわかりやすいのがあいみょんさんです。
例. あいみょん/『裸の心』
Aメロの
「いったいこのままいつまで一人でいるつもりだろう」の「つも○り」「だ○ろう」
○の位置に「こぶし」が入っています。
発音としては「母音」を入れており、「つもおり」「だあろう」となります。
この母音の「お」「あ」を使って一瞬だけ音程を上下させています。
また先ほどご紹介した福山雅治/『家族になろうよ』の中でも「こぶし」は用いられており、
「家族になろうよ」の「ろ○うよ」の○の部分に「お」で一瞬だけ音程を上下させています。
出すポイントとしては上下させる音程にスピードをつけることです。
素早く上下に音程を動かさなければ次の音程を出し遅れてしまう...ということがあるので注意が必要です。
カラオケ加点テクニック「フォール」とは?
「フォール」とは、滑らかに低い音程に下げていくテクニック。
歌詞の語尾をゆっくりと下げるイメージです。
ロックやビジュアル系の歌で多く使用される傾向があります。
英語で「落ちる」という意味の「fall」からきています。
歌に「フォール」を入れることにより、儚さや切なさ、色気などを表現できます。
フォールを出すポイントは感情や歌詞に意識する
例1. King Gnu/『白日』
イントロの歌いだし「雪が降りしきろうとも〜」の「も〜〜」の伸ばしから音程が下がるのがわかるでしょうか。
イメージとしては「もお〜↓」と落ちていくイメージです。
例2. スピッツ/『ロビンソン』
ヴォーカルの草野 マサムネさんもフォールを多用するアーティストです。
Aメロの「河原の道を〜↓」「自転車で〜↓」と語尾にフォールを入れています。
自然なフォールなので一瞬聞くと分からない方もいるかもしれませんが、「フォール」を入れることにより淋しい感じが伝わってきますよね。
切なさや憂い、色気を出したい時などに用いるテクニックですので、カラオケなどで歌う時には歌詞の内容などにも注目すると表現力が高まります。
入れる際には歌詞や表現したい心情なども意識して自然に歌うとより効果的です。
カラオケ加点テクニック「ビブラート」とは?
歌のフレーズ終わりに声を「波」うつように揺らすテクニック。
この「波」をつくっているのが横隔膜です。
横隔膜が肺の空気を一定間隔で押し出すことで空気の波が生まれます。
歌の表現力には欠かせないテクニックです。
歌詞に込められた感情をより強調して伝えることができます。
また、音に表情をつけて聞く人を魅了させる効果があり、音楽をよりはっきりと目立たせるためのアクセントにもなります。
ビブラートを出すポイントは息を送る力と声帯を閉じること
ビブラートができるかどうかのポイントは喉の使い方です。
「声帯を閉じる力」と「息を送る力」です。
「声帯を閉じる力」が足りないと、声の輪郭がぼやけてしまい、「息を送る力」が足りないと響きが浅くなってうまくできなくなってしまいます。
まずは50音でロングトーンで練習してみましょう。
「あーーーーー〜〜〜〜」と腹式呼吸を意識しながら最後に波をつけるように声を揺らしてみましょう。
体全体をビブラートに合わせながら揺らすことも練習になります。
息は、一定の量であまり変化をつけないことが大事です。
ビブラートをつける際「喉が振動しているな」と感じたら声帯が閉じれている証拠ですので、その感覚を忘れないように練習しましょう。
まとめ
「しゃくり」・・・ある音程を出す前に低い音程を出してから本来の音程に戻すというテクニック。
→しゃくりを出すポイントは歌詞の「母音」に注目する
「こぶし」・・・一瞬だけ音程を上下させるテクニック。
→こぶしを出すポイントは音程を上下に動かすスピードを意識する
「フォール」・・・滑らかに低い音程に下げていくテクニック。
→フォールを出すポイントは感情や歌詞に意識する
「ビブラート」・・・歌のフレーズ終わりに声を「波」うつように揺らすテクニック。
→ビブラートを出すポイントは息を送る力と声帯を閉じることが重要
いかがでしたでしょうか?
カラオケでの4つの評価、歌に入れすぎても減点の原因になってしまうので注意が必要です。
表現の意味を分かった上で使用すると高得点につながります。
ぜひ、4つのテクニックに挑戦してカラオケをもっと楽しみましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。