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楽器練習するうえで練習場所の確保は、活動の継続、演奏技術の上達や維持の上でも重要なことです。
音を気兼ねなく出せる環境というのは非常に限られています。
その中で、カラオケを利用する方も多いと思います。
しかし、カラオケ本来の利用からは異なる楽器練習をしていいのか、また音の大きい楽器の場合、苦情などが発生しないか、不安を感じる方もいるでしょう。
今回は、カラオケでの楽器練習について考え、少しでも疑問や不安を解消できるようにお話していきたいと思います。
カラオケで楽器練習できる?
楽器の持ち込みは許される?
カラオケ店側では楽器練習についてどのように考えているのでしょうか。
実は、よくある質問や問い合わせに対する回答として、楽器練習についても触れています。
結論から言えば、主要なカラオケ店では、全面的に禁止しているところはありません。
ただし、次のような但し書きを付けていることが多いです。
「公序良俗に反しない範囲で」
「他のお客様からの苦情が入ったら、店舗の判断で楽器の利用を中止していただく場合があります」「一部店舗、また楽器の種類によっては利用できない場合があります」
「事前に最寄りの店舗へお問い合わせください」
「部屋の機材(スピーカー、アンプなど)に繋いでの演奏は禁止」
気をつけるべきことはあるものの、カラオケ店側はおおむね楽器練習に理解がある、と考えていいと思います。
予約と同時に、楽器練習で使う旨を店側に伝えておくようにしましょう。
うるさい、迷惑と言われることはある?
それでも、注意や苦情を受けた経験がある、という方もいるかもしれません。
お店にも事前に楽器練習する旨を連絡し、部屋も一番端にしてもらうなどの配慮をしてもらったにもかかわらず、隣からドンドンドン…と壁をひどく叩かれた、という話しもあります。
もし、隣の部屋からクレームの意味で壁をドンドン…と叩かれたり、他の客から直接苦情を言われたら、いったん演奏を中止し、店員に事情を説明しましょう。
店側で、別の部屋を用意するなどの対応をしてくれることもあります。
こうした場合、客同士で対応しないほうが無難です。
トラブルを大きくしかねないですし、店側もトラブルが明るみに出てしまうと、最悪の場合、店での楽器練習そのものを禁止する動きにも発展しかねません。
たとえ事前に連絡していたなど、自分には非がないと思っても、お店に対して必要以上に食い下がったり文句を付けたりするのは控えましょう。
あなたの方が、その後、そのお店を使いにくくなってしまいますし、店員に嫌な印象を与え、楽器練習での利用を断られてしまうかもしれません。
壁をドンドンドン…も含め、実際に苦情を言ってくる客はどのような人なのでしょうか。
想像の域ではありますが、以下のことが考えられます。
・大音量の演奏が長く続いた。
・神経質な客だった、楽器の生音に理解がない客だった。
・グループで楽しんでいたところで、水を差された気になった。
・静かな曲を歌い、その雰囲気に浸っていた。
・録画、配信、レコーディングなどをしていた。
・深夜帯などで休憩で使っていた。
カラオケ店は普通に歌っていても、案外部屋の外に声が漏れています。
壁の薄い店舗などでは楽器の音は目立つこともあるでしょう。
楽器の音を生で聞くことに慣れていない人にも、予想以上に大きく耳障りに聞こえることがあります。
一方で、楽器の生音が聴けてラッキー、という音楽に理解のある方や、寛容な心の持ち主もいると聞きます。
苦情やクレームを言われると不快に感じることと思いますが、色んな客が様々な事情で使っているということを頭の片隅に置いておいて、冷静に対応するようにしましょう。
公園で楽器練習はうるさい?
楽器練習するうえで、屋外も選択肢のひとつとしてあります。
公園も、広い都市公園や森林公園、運動場などを併設した総合公園などで、楽器練習をしている人を見かけることがあれば、できると判断してよいでしょう。
公園には立て看板で禁止事項が書いてあり、ホームページにも掲載されていることがありますので、ご覧になってみてください。
しかし、住宅街の中にあったり、老人ホームや図書館などの施設が近くにあるような公園は楽器練習はしないほうがいいでしょう。
禁止事項として書いていなくても、苦情やクレームになる可能性が高いです。
なお、弦楽器は管楽器よりも湿度、温度に敏感で、直射日光にも弱いので、外での練習はお勧めしません。
管楽器でも、クラリネットなど木でできているものは、ひびが入ったりすることもあるので同様です。
金管楽器も長時間直射日光のもとで練習したりすると熱で延びたりすることも考えられますので、外での練習はほどほどにしましょう。
屋外で練習や演奏すると、楽器のメンテナンスも普段より入念にしなければいけなくなります。
また屋外練習の頻度が多いと、部品の消耗が早くなったりして、出費が増える可能性もあります。
カラオケなど室内でできる環境をまずは探しましょう。
カラオケで楽器練習:楽器別の考察
カラオケでトランペット
カラオケで練習する楽器の中で金管楽器、それもトランペットがもっとも苦情やクレームが来るリスクが高いでしょう。
トランペットは最大音量110db程度、金管楽器の中でも最大の音量のうえ、音色が華やかで、金属音が拡散します。
音量調節も難しく、弱く吹いてもそれなりの音量が出てしまいます。
そもそもずっと弱く吹き続けていたら練習になりません。
最近は、ヤマハのサイレントブラス、という消音器も出ていて、会話程度の音量にまで抑えられるというものもあります。
しかし、あくまでも音を出せない環境で使う補助的な道具であり、演奏技術が十分でない人などが消音器を使うのに慣れてしまうと実際の演奏に影響が出ることも考えられます。
カラオケでクラリネット
クラリネットは最大音量98db程度、木管楽器の中では最大の音量が出ます。
音域も案外広く、響きも太めですが、金管楽器よりも柔らかい響きがあります。
トランペットの高音域のように耳をつんざく響きではありませんが、音量はかなりあると念頭においておきましょう。
カラオケでフルート
フルートは最大音量92db程度、オケでも高音域を担当する楽器ですが、音量はトランペット、サックスほどではありません。
苦情リスクがないわけではありませんが、高音は耳につきやすいものです。
なお、カラオケは部屋の残響が残りやすく、演奏はしづらいかもしれませんので、本番が近い時などは注意が必要です。
カラオケでサックス
サックスもトランペットと同様、カラオケでの練習では苦情のリスクが高い楽器といえます。
テナーサックス、アルトサックスは最大音量110db程度、トランペットと同程度の音量があります。
また、音色も破裂音で始まり、拡散していくので、どうしても目立ってしまいます。
ラッパが上を向いている分、まだトランペットよりはましかもしれませんが(ソプラノサックスは下向き)、音量の調節は難しい楽器です。
カラオケでバイオリン他弦楽器
バイオリンは最大音量90db程度、弦楽器でも高音域を担当します。
音量こそ金管楽器ほどではないですが、弦楽器はビブラートが強く感じられることがあり、それが気になる客もいるかもしれません。
音量はそこまで出なくても、音色が気になる人がいるかもしれない、ということを考慮しておきましょう。
チェロは最大音量87db程度ですが、弦楽器でビブラートがあることだけでなく、音域、音色ともに人の声に最も近い楽器ともいわれています。
自分たちの声に近い、太くビブラートのある音が鳴り続けるとやはり気になる人がいるかもしれません。
ちなみにコントラバスですが、そもそも運搬や部屋のスペースの問題が出てきます。
近い店などであればコントラバスバギーなどで運ぶ方法もありますが、車で移動する場合は駐車場があるかどうかも確認しなければいけませんし、一人用の狭い部屋だと練習すらできない可能性があります。
それでも練習しなければいけない事情がある場合は、必要なことを整理した上でお店に確認しましょう。
カラオケでトロンボーン他管楽器
トロンボーンは最大音量106db程度、トランペットやサックスに次いで大きい音量が出る管楽器と言えます。
ラッパが横向きでなおかつ音が拡散するので、トランペットほど高音ではないものの、音は目立ちます。
スライドを使って演奏するので、狭い部屋では練習できない可能性があります。
ホルンは最大音量106db程度、楽器も大きめではありますが、音色が柔らかいので、そんなに大きな音がするんだ、と意外に思う方もいるかもしれません。
チューバは最大音量97db程度、低音で音色が太く、幅広いのが特徴です。
実はプロの楽器奏者でも、毎日ではないにしても、カラオケを練習場所に使うことがあるそうです。
練習が必要な時は、神経質になりすぎず、お店に相談してみましょう。
カラオケで楽器練習:気をつけるべきこと
うるさい、迷惑と言われないようにするためには?
苦情やクレームのリスクをゼロにする、というのは難しいにしても、少しでも減らすためにできることを心がけたり、実践したりしましょう。
繰り返しになることもありますが、まとめのつもりで読んでいただければと思います。
・店に事前に楽器練習で利用することを伝える。
・混雑する時間帯や、連休や学校の休業期間など客の多いシーズンを避ける。
・都心などの狭い部屋が集中する店舗では楽器練習しない。
・複数人でのアンサンブルやセッションはやらない。
また、カラオケで練習する場合に、用意しておくといいものとして、譜面台があります。
カラオケ店で譜面台を用意している店はほとんどありません。
たばこの匂いが気になる方、匂いを楽器につけたくない方は、禁煙ルームを指定しましょう。
練習場所は複数持っておくといいと思います。
公共施設やスタジオ、レンタルスペースなども時間のある時に調べたり、試しに使ってみたりしましょう。
ただし、公民館などは貸出が数週間前からだったり、個人での利用ができないところもあります。
スタジオやレンタルスペースもカラオケに比べると一人で利用するには割高です。
その点、カラオケは店舗数も多く、利用も当日電話一本で済むことが多いです。
カラオケも一か所だけでなく、使える店を複数持っておくといいと思います。
カラオケ店まねきねこが楽器練習によく使われる理由は?
カラオケ店まねきねこが楽器練習する人に人気がある、という話しを聞くことがあります。
楽器練習については、「カラオケ利用の際と同等の音量であれば楽器の練習でのご使用は問題ございません」「ただし、店舗の防音状況や他のお客様のご迷惑になるような場合はお断りさせていただくこともございます」とあり、他店と特別な違いはありません。
ただ、料金を調べてみると、早朝営業で午前9:00~12:00までが11円/30分(税込)というものがありました。
ワンドリンクオーダー制で374円(税込)以上の商品を注文しなくてはいけないですが、それでも十分安いといえます。
一部店舗では持ち込みOKというものもあります。
※2022年4月調べ
楽器奏者は楽器のメンテナンスにもお金がかかります。
こうした取り組みが楽器奏者にはうれしいといえるのでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
楽器は人の声よりも一般的に大きな音がするだけに、気をつかうことも多いと思います。
楽器別の考察で示した音量はあくまでも最大音量です。
音量調整の効きにくい楽器はそれに近くなるかもしれませんが、利用中にずっと最大音量が継続して鳴り続けるわけではありません。
また、楽器しだいでは、音色がさほど気にならないものもあるでしょう。
カラオケもマイクを使いますから、90db程度に達します(個人差などあります)。
プロのソプラノ歌手は、最大音量100dbに達することがあるといいます。
気兼ねなく音を出せる環境であることがカラオケのいいところです。
事前にお店に連絡を入れておいて、マナーを守って、気持ちよく使いましょう。