ギターのシールドは消耗品です。
いつか必ず断線したりノイズが出たり音が劣化したりします。
では、実際ギターのシールドの寿命ってどれくらいなんでしょうか?
シールドの寿命
初心者の頃に使っていたシールドは3メートルで1,000円未満のものでした。
このシールドの寿命はめちゃくちゃ短く1ヶ月も使用すると必ず断線し、毎月シールドを買うはめになりました。
でも、このようなシールドでも長く断線しないケースがあります。
それは、家等でレコーディングで使用している場合です。
ライブやスタジオで動き回ってると、シールドもたくさん揺れて断線しやすくなるのです。
自分がその後9,800円位のシールドを買ったのですが、それはスタジオやライブで使用し続けたにもかかわらず、10年以上断線せず使用する事が出来ました。
ところが、金属であるプラグ部分やシールド内部の導体は劣化していっている事に気づきませんでした。
ある日自分のシールドを忘れて同じものを新しく購入し使用して、そこで初めて持っていたシールドが劣化していた事に気づきました。
では、劣化する時間の目安はどれくらいなんでしょう?
手入れや保管の仕方で変わってくるとは思いますが、シールドの寿命は日本だと数年が目安かと思います。
時々楽器屋で同じものを弾かさせてもらい、自分が使用しているものが劣化しているかどうかの確認はしてみてもいいかも知れません。
パッチケーブル
最近はめっきり見かけなくなりましたが、まだ一部でエフェクターをボードの中で固定しないで持ち運んでいる人がいます。
これがパッチも外して持ち運んでいるならいいのですが、そうでない場合、移動中や運搬中にエフェクターが動いてしまうので、必然的にパッチケーブルがものすごい勢いで痛んでしまいます。
この状態だと突然断線する事もめずらしくないので、かならずエフェクターはボードに固定して下さい。
また、パッチケーブルも劣化していきますので、時々交換して下さい。
シールドの寿命を延ばすための方法
シールドの寿命を延ばすための方法です
1.シールドを踏まない
当たり前ですが、踏めば踏むほどシールドは痛めつけられ劣化のスピードが加速するだけでなく、断線して即死亡となります。
2.プラグを時々拭く
常にギターやエフェクターを抜き差ししているプラグ部分も時々拭くことで傷つけにくくなり劣化を抑える事ができます。
3.八の字巻で保管する
八の字巻の保管はギターシールドのみならず全てのケーブル類の基本であり必須テクニックです。必ず八の字巻を覚えましょう
八の字巻について
楽器屋で売られているシールドは普通に巻いているだけだったので「八の字巻」を初心者の頃は全く知りませんでした。
その後ギターマガジン等で八の字巻を知ったのですが、自分は本で読んだりした方法だと全くわからず覚える事が出来ませんでした。
ところが、YouTubeで外人の人が実演してるものを見たらすぐに覚える事ができました。
残念ながら、その動画を見つける事は出来ませんでしたが、日本人の動画でわかりやすいものを探してきました。
あと、こちらの動画は音楽関係者ではなく、さらにシールドではなくイヤホンで実演しているのですが、理屈がわかりやすい動画です。
0:50辺りから解説しています。
余談ですが、この八の字巻を競うコンテンストがあります。
手さばきが半端ないですね。
マイクケーブル8の字巻コンテストというのはあちこちで開催されているようですが、その中でも日本音響家協会が主催しているものは有名で、今年(2019年)は幕張メッセで行われたライブ・エンターテイメントEXPOの特設ステージで開催されました。
実は今年の大会は自分の友人も参加しました。
かなり出きる友人なのですが、猛者揃いのイベントだったようで、見事決勝に進んだものの敗れてしましました。
地味に面白いイベントですので興味あれば、一般社団法人日本音響家協会のホームページの8の字巻グランプリをチェックしておいて下さい。
できるバンドマンは八の字巻必須
ライブのサウンドチェックが終わった時に八の字巻でシールドを素早く片付ければ「こいつ慣れてるな」とか「こいつできる!」と思われるかも知れません。
八の字巻をまだ出来ない人は是非取得しましょう。
そしてメンテナンスも行い、なるべくシールドを長く使えるように大事に使いましょう。
ギターのシールドのおすすめとは?長さでも音質は変わる?
ギターシールドって何を選べばいいか、ぱっと見ではわかりませんよね。
実際音を出して選んだりできればいいのですが、なかなかそれも難しいです。
シールドを耐久性で選ぶ
そこで、まずギターシールドでの最初のおすすめは耐久性の高いシールドです。
音の違いがわからなくても、耐久性は、使えばわかります。
卓録のみで使用するのであれば、あまり重視する必要は無い部分かも知れませんが、バンドで使用する場合シールドは消耗品なので耐久性は重要です。
おおまかな傾向として、安いシールドほど耐久性が低いです。
自分が初心者の頃は3m 980円くらいのシールドを使っていました。
八の字巻も知らず管理の仕方も悪かったとは思うのですが、1か月使うと中が断線し、毎月のようにシールドを購入していました。
ところが、ある日3m 10,000円くらいのシールドを購入したら、全く断線せず結果10年以上使う事が出来ました。
今は3m 3,000円くらいでも、耐久性の高いシールドが売られています。
3m 1,500円を切ると耐久性が低いものが多くなるので、とりあえず3m 3,000円以上のシールドを選びましょう。メーカーで言えばEX-PROやProvidence辺りがおすすめです。
シールドを音で選ぶ場合
シールドは材質や作りで音が変わります。
どのメーカーのシールドも、どういった音を出すか想定して作られています。
しかし、音は好みですので、メーカーの意図通りのものを使用しても、それが気に入るとは限りません。
では、実際の音はどうなのか?それを検証を行っている動画がネット上にいくつかあります。
プロギタリストの梶原順さんがデジマートのサイトにアップしている動画をご紹介します。
個人的に一番わかりやすいのは、知り合いが使っているシールドを使わせてもらう事です。
自分の手で実際にアンプから出すと動画で見ている以上に違いがわかります。
複数ギタリストの知り合いがいれば、一度みんなでスタジオ入ってシールドをお互い交換して弾いて見ましょう
長さでも音質は変わる?
シールドの音質という部分で忘れてはならないのは、シールドが長くなればなるほど音は劣化するという事です。
シールドといっても、抵抗があるようなものなので、長くなる=抵抗が大きくなるのです。
実際にはハイ落ちやヌケが悪くなる現象が起こります。
また、ノイズも拾いやすくなります。
フュージョン界の有名なベーシスト、アンソニー・ジャクソンはそれを嫌い、アンプのすぐそばで弾いています。
彼はベース自体のヴォユームやトーン等のコントロールを全て廃し、ピックアップで拾った音をいかにロスせずアンプから出すかというところが徹底しています。
そんな人もいれば、ジョニー・サンダースや日本の鮎川誠さんのように10mのシールド振り回して演奏している人もいます。
ロック系だとちょっとヌケ悪くした方がいい場合もあるからではないでしょうか?
個人的にはライブはともかくレコーディングの場合は、短めのシールドの方がいいとは思います。
エフェクターを繋ぐシールドもちゃんとしよう
ブティック系のモデフェイされたエフェクターや、スイッチングシステムで揃えられたボードを使っている人の中に、安価なシールドでエフェクターを繋げている方がいます。
これではモデファイされたエフェクターの音の意味が無くなってしまいますし、耐久性も低いのでトラブルが起こりやすくなります。
実際、そうしたシールドが原因でノイズやハウリングが止まらない現象を見た事が何度もあります。
短いシールドでも、ちゃんとしたシールドを使いましょう。
という感じでシールドの選び方をまとめます。
・3.000円以上の耐久性が高いものを選ぶ
・知り合いのシールドを交換して好みの音を探す
・エフェクターを繋げるシールドもちゃんとしたものを買う
ざっくりしたまとめですが、読んでくれた方の参考になれば嬉しいです。