今回はマーシャルのガバナープラスをご紹介します。
マーシャル ガバナープラスの評価レビュー。音作りやセッティングについて。
無印ガバナーが発売されたのは、1989年になります。
イングランド製と韓国製があります。
ガバナープラスは1999年発売となりますから、息の長いディストーションペダルとなります。
マーシャルのエフェクターの歪みはLEDで歪ませるのが伝統となっていますが、このエフェクターもLEDで歪みを作っています。
クリッピングにLED使うことで信号がLEDを光らせることにエネルギーを使うので不安定になるので、アンプを歪ませたようなサウンドが得られるのだそうです。
無印ガバナーとトーンコントロールが異なっており、ベース、ミドル、トレブルに加え、ディープつまみが付きました。
ディープスイッチはJCM2000のディープスイッチと同等の効果があり、低音をブーストして従来のトーンコントロールでは真似出来ないような、濁りのない躍動的なベースサウンドを加えます。
筐体はとてもかわいいカブトムシ型になっています。
小さいのでボードの面積を多く取りません。
Marshallのロゴがなかなかと自己主張が激しいです。
ツマミはゲイン、ベース兼ディープ、トレブル兼ミドル、レベルとなっています。
操作性としては、ベースとディープつまみ、トレブルとミドルつまみが一軸におさめられているので、ディープをいじろうとしたら、ベースまでまわってしまうということが起きますので、ちょっとやりにくいです。
両手を使わないと上手く操作できません。
価格面は7000円前後と比較的安価な分類に入ります。
サウンド
サウンドは初代の無印ガバナーと異なっていまして、単純にディープつまみを追加しただけのものではなくなっていて異なる歪みを持ちます。
音質がより現代的になっています。
初代ガバナーの代わりとして購入する場合は、音色が違いますので注意しましょう。
時代の変化によってマーシャルアンプが変化したように、ペダルも10年の年月を経て変化しています。
ディープつまみを上げると中低域が持ち上がってくるので、近代的なヘビーなサウンドになります。
ディープつまみを下げると中低域が引っ込むので、トラディショナルなマーシャルサウンドになります。
ツマミが多いので、単純にトーン1つだけ付いたディストーションペダルと比べるとセッティングの幅が広くなっていますので、美味しいポイントを探すのに苦労するかもしれません。
ですが、値段と性能を比較すると及第点は取れているので高評価につながっているのだと思います。
自分は以前初代ガバナー(イギリス製)を持っており、その初代のものに比べるとやや音がこもりやすい感はあるものの、その分音作りの幅は大きくなっています。
マーシャルのサウンドをトランジスタアンプでも気軽に得ることができるので、持っていても損のないペダルかもしれません。
マーシャルには使用しない方がいい?
このガバナーは当然の事ながら、マーシャルのアンプの歪みを模しているものです。
JCM900やJCM2000を歪ませたセッティングにさらにガバナーを入れると何だかよくわからなくなってしまいます。
こもって聞こえるというレビューも多いのですが、マーシャルアンプを使用していると特にそう感じます。
マーシャルに使用する場合はマーシャルはクリーンもしくは軽いクランチにしてガバナーも浅く歪みをかけてプッシュする使い方が合うよう思えます。
またはアンプはクリーンにしてガバナーとは別にブースターやイコライザーを使って強調させる音や、減衰させる音を調整するのが良いでしょう。
ただ、個人的にはJC-120のようなトランジスタアンプをクリーンなセッティングにしてガバナーを使用した方が、音が前に出る印象があります。
特にDEEPつまみを上げると先に挙げたマーシャルのアンプよりローが出ます。
トランジスタアンプはもともとの性質がフラットな音作りがしやすいのでこういった特徴のあるエフェクターを使用する場合には向いているのかもしれません。
ガバナーの歴史
Marshall The Guv’nor(ガバナー)は1989年に発売されました。
当初はイギリスで製作されていましたが、1994年からは韓国で製作されます。
その際回路に設計変更があり、初期(イギリス製)はオーバードライブ気味な音で後期(韓国製)はドンシャリ気味なディストーションライクな音となっています。
その後ガバナーは生産が中止され、後継機種として音のキャラや歪み具合別に3種類のガバナー、ブルースブレイカー、ドライブマスター、シュレッドマスターが発売されますが、それらはすぐに生産中止になり、その後現在のガバナーシリーズ、JH-1(ジャックハンマー)やBB-2(ブルースブレーカー)などが発売されました。
しかし現在はコチラのシリーズも生産完了品ということで、新品で出回ることも少なくなってきました。
探す場合は中古購入という場合が多くなってしまいそうです。
現代は安価な中華ペダルはもちろん、アンプライクなエフェクター/プリアンプ、ハイエンドなハンドメイドメーカーなども出てきましたので、アンプとエフェクター両方で開発していくのは難しいのかもしれません。
はやりマーシャルの音が好きだというギタリストも多いのでぜひともまた新しいエフェクターを販売してほしいと思います。
JH-1 BB-2
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