マルチ・エフェクターと言えば、主なメーカーはZoomやBossなどの名前が上がります。
特にBossは、コンパクト・エフェクターで数々の実績を出しており、マルチ・エフェクターでも品質の高さが想定されていました。
Boss GT-1は非常に高品質なマルチ・エフェクターで、発売当初より品薄状態が長く続いた人気機種です。
Boss GT-1 の評価レビュー。
マルチ・エフェクターというと、1台に多くのエフェクトが内蔵されている反面、重量と大きさがネックですが、重量1.3kg、大きさはBoss GT-100の約半分です。
持ち運びは簡単で、どのエフェクトも音質が良く、そして値段も安いとなれば、当然人気の機種になります。
アルカリ電池4本で約7時間駆動するマルチ・エフェクターですが、AD変換は24bitとなっています。
また、このマルチ・エフェクターには、アンプ・シミュレーターも内蔵されています。
アンプのモデリング技術は、Bossの得意COSM(Composite Object Sound Modeling)技術を駆使しています。
この技術は、元のアンプのサウンドを、別の手段で仮想的に再構築する技術です。
エフェクトの種類は108ととても豊富で、古いエフェクターから最新のDMPエフェクターまで内蔵されています。
また、ルーパー機能も付いています。
操作性
筐体が小さくなったので、フット・スイッチが3つになり、サイドにエクスプレッション・ペダルが1つ付いています。
チューニングの際には、このフット・スイッチが光るというユニークな機能があります。
音が下がっている場合は、左のフット・スイッチが光り、音が上がっている場合は、右のフット・スイッチが光ります。
音が合うと、真ん中のフット・スイッチが赤く光ります。
暗いステージ上でも、素早く正確にチューニングを把握出来るようになっています。
続いて、音色のセッティングについて説明していきます。
音色の選択は、左のフット・スイッチと中央のフット・スイッチを上下して操作します。
ユーザーがライト(音色を上書き保存)できるプリセット・パッチが99、リライト出来ないプリセット・パッチが99、合計198の音色から選択することになります。
音色のエディットも非常に簡単です。
まず、イージーエディットを選び、LCD横の1、2、3のノブでTone、Bibes、Echoを調節することで、簡易的なエディットが可能になっています。
特に初心者の方は、1から音色を作って行くのは大変だと思いますので、ライト可能なプリセットをロードして、個々にエディットしていけるのは助かると思います。
筐体が小さくなった分だけ、CTLペダルがに一つになってしまったので、設定によって役割を割当てるのには、慣れるまでには少々時間がかかるかもしれません。
操作性については、少し慣れが必要でしょう。
CTLペダルを追加することもできますが、そうすると比較的大掛かりなシステムとなってしまい、セールス・ポイントの一つであるコンパクトの利便性がなくなってしまうのではないでしょうか。
サウンド
BossのCOSM技術を体験したことのある方であれば分かると思いますが、エレクトリック・ギターでアコースティック・ギターの音を出せるシミュレーターから、非常に強烈な歪みまで、幅広いサウンドが入っています。
また、個別エフェクトも、原音系、モジュレーション系、空間系と一通りが揃っており、いずれもBossのコンパクト・エフェクターで体験してきたクオリティを有しています。
初心者の方などで音が上手く作れない方は、PC用ソフトウェアをインストールして、Boss Tone Centalにアクセスすると、世界のトップ・クラスのギタリスト達が作成した即使えるパッチをダウンロード出来ますので、それを使って研究するのが良いです。
TOTOのSteve Lukather、元MegadethのMarty Friedman、その他にもGus G.、DragonForceのギタリスト、そしてアングラのギタリストのパッチなど、様々なギタリストによるパッチが用意されています。
Bossのページには試奏動画もありますので、自分の演奏と比較して、参考にもなると思います。
まとめ
マルチ・エフェクターのメリットが十分に詰まった機種です。
他にギターとアンプを用意するだけで、多くのエフェクトを用意してボードを組む必要もないくらい、多彩なサウンドを生み出すことが出来ます。
通常、マルチ・エフェクターというと、歪み系が弱かったり、個々のエフェクトの質がどうしても単体機より劣ってしまう、という点がありました。
他社からも追従した機種が多く出てきており、マルチ・エフェクターは全体的に質が向上しています。
その中でも、Bossは一段上を行っている、ということを実感させてくれます。
もし、製品が古くなってきたら、アップデート・ソフトウェアが配布されるようになるかもしれません。
ギタリストのように多くのエフェクトを使うベーシストには、GT-1Bも用意されています。
GT-1とGT-1Bは、宅録からライブまで、幅広いシーンで活用できるマルチ・エフェクターです。
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