BOSS PS-6 ハーモニストは、BOSSのピッチシフター系では4代目のフェクターになります。
boss ps-6(ピッチシフター)の評価レビュー。音作りや使い方等。
PS-6は前のPS-5同様キーに合わせて自動でハーモニーを付ける事が出来ますが、PS-5が2声だったのに対してPS-6は3声つける事が出来ます。また操作が視覚的になったことや音域などで使える機能がよりパワーアップしました。
さらに他にも面白い機能がいくつかありますので、それをご紹介します。
各モードの基本的な操作方法
PS-6は一番右のツマミでモードを選択します。
各モードの概略は下記の通りです。
・Major・・・メジャーキーで2声もしくは3声のハーモニーをつける事ができます
・minor・・・マイナーキーで2声もしくは3声のハーモニーをつける事ができます。
・PICHI SHIFTER・・・最大上下2オクターブのピッチシフト音を出します。
・DETUNE・・・原音に対し少しだけ音程が違う音を加えます。
・S-BEND・・・最大4オクターブ上、もしくは3オクターブ下のアップとダウンが出来ます。
ハーモニーをつけるMajer/minor
どちらも曲のキーに対してハーモニーをつける事ができます。
キーに応じた最適な和音でプレイすることができ、ステレオで出力すれば左右異なるハーモニーがサウンドに広がりをもたせます。通常のピッチシフターというものはピッチが+1とか-1などの固定された度数の出力で、原音と並行移動するだけのものでした。
出力できる音の種類も豊富で、
- 1オクターブ上+1オクターブ下
- 4度下+6度下
- 1オクターブ下
- 6度下
- 3度下
- 3度上
- 5度上
- 6度上
- 1オクタ-ブ上
- 3度+5度
- 3度+4度下
をそれぞれつける事ができます。
下記動画の0:56辺りでは、このモードの3度+4度下を使い、まるでブライアン・メイのギターオケストレーションのような音を出しています。
すごい重厚ですね!
しかし若干使い方にはコツがあります。
まず、A4=440Hzにしか対応していませんので、ピアノ等と演奏する場合は注意が必要です。
また、単音のみハーモナイズされるのでミストーンがあると音を感知しない場合があります。
和音も行けるPICHI SHIFTER
上記Major/minorモードは重厚なギターオーケストレーションを作る事は出来ますが単音でしか使用できません。
以前の機種より操作が簡単になりました。スーパーベンドモードにより幅広いピッチシフトが可能です。3音和音による重厚なリフやメロディアスなフレーズなど、ギタリストの要望に応えます。従来のコンパクトエフェクターでは表現が難しかったピッチコントロールも可能となりました。
こちらは和音に対して7度上 & 5度下、2オクターブ下、1オクターブ下、7度下、5度下、3度上、5度上、7度上、1オクターブ上、2オクターブ上を付ける事が出来ます。またピッチ変換時の音質が向上しリアルなギターサウンドが得られます。
但しMajor/minorモードのようにキーに対し綺麗にハーモナイズされません。
一番使われるのはリードプレイだと思います。単音弾きなのにコードを鳴らしたり、アルペジオでのサウンドの変化など存在感のある独特なプレイができます。
リフの重厚感を増すため2オクターブ下もしくは1オクターブ下を加えたり、ソロの終わりに1オクターブ上もしくは2オクターブ上を加えるような使い方をするといいでしょう。
12弦ギターのような響きになるDETUNE
コーラスとは違った12弦ギターのような音の広がりを作る事が出来ます。
わずかにずらした2声が加わり、ギターサウンドに厚みが出ます。揺れのないコーラスといった感じで独特な暖かみがあります。
先ほどと同じ動画1:49辺りからその音が聴けます。
所謂70年代ウエストコート的な音の響きが美しいですね。
これこそPS-6最大の技!S-BEND
このモードがある意味PS-6の真骨頂とも言えるモードです。
アームの無いギターでも簡単に2オクターブ以上のベンディングができます。エフェクトのバランスも調整できますので、ダイレクト音を合わせた出力も可能です。
S-BENDモードはペダルを踏みで最大3オクターブ下から4オクターブ上まで音を下降、もしくは上昇させます。
まるでワーミーペダルのようです。
しかしワーミーのようにペダルをつかずにこの効果を得られるのはすごいです。
こちらも先ほどと同じ動画の2:16辺りで実際の音を聴くことが出来ます。
また、下記動画2:41もわかりやすい形で聴く事ができます。
また、エクプレッションペダルを付けると、それこそワーミーペダルのような事もできます。
PS-6はかなり完成されたハーモナイザーというだけでなく、効果音的なピッチベンド等も出来るかなりすぐれたエフェクターです。
また、ワーミーペダルのように場所も取りません。
単純にハーモナイザーが欲しい方、ワーミーのような効果が欲しい方にはおすすめのエフェクターです。
唯一の弱点は価格が高い
通常のBOSSであればひとつのエフェクターの価格は10,000円前後ですが、PS-6は17,000円を超えています。
ハーモナイザーは欲しいけどこの価格は・・・と感じる方も多いでしょう。
実際その価格だと最近であればZOOMの最新のマルチエフェクターでエクスプレッションペダル付のG3Xnも買えてしまいます。
そこで候補に入れて欲しいのはPS-6の前機種PS-5です。
当然現在は生産されていませんが、中古で結構出回っており、平均すると10,000円切るくらいです。
でも、例えばハーモナイズ音がPS-6だと3声まで重ねらたり(PS-5は2声)、S-BEND機能がPS-5には無かったりしますが、そういった機能はいらない人にはPS-5で十分だと思います。
さらに言えば、PS-5はPS-6に無い、フラッターモードというクリケット奏法を再現する機能やストラトのトレモロアームっぽい音を出すT.ARMモードがあります。
ただ、フラッターモードは飛び道具的に使えるものの、T.ARMモードはかなり微妙です。
しかし、単純に2声のハーモニーを出したいだけであればPS-6ではなくPS-5でも十分な機能がありますので、まずはこちらを購入するという事も検討して下さい。
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