Line 6 DL4エフェクターの評価レビュー。使い方や音作り。

今回は、常に斬新で高品質の音響機器を製作し続けているLine 6のエフェクター、Delay Modeler DL4を紹介します。

ディレイとは、非常に基礎的なエフェクターで、簡単に説明すると原理は「やまびこ」です。

コーラスやリヴァーブ、フランジャーなど一般的なエフェクト効果は、ディレイのタイムやモードを操作することで作り出すことが出来ます。

Line 6の技術力は世界的に評価されていますので、そのLine 6が製作したディレイ・エフェクターというだけで信頼性はありそうですが、実際に機種に触れてみましょう。

Line 6 DL4エフェクターの評価レビュー。使い方や音作り。

・Line6 DL4の概要

Line 6社は、質の高いエフェクターを製作しているブランド、そして近年ではモデリング技術によりアンプやアンプ・シミュレーターなどを開発している会社です。

1998年には、往年のアンプ名機を1つの筐体にモデリングした初代Podを製作し、その性能は世界中から高く評価されました。

DAWレコーディングが急速に発展してきた時代背景もあり、アンプ・シミュレーターにはより高い能力が求められるようになり、以降Podはモデル・チェンジを繰り返しながら、常に高い品質を提供し続けています。

そのLine 6から発売されているDL4は、既存のディレイ・エフェクターをモデリングした機種になります。

Red Hot Chili PeppersのJohn Fruscianteが使用していたことで一躍有名になったエフェクターです。

初期のモデルでは、音痩せがするとの指摘もありましたが、この辺りは実際に耳で確かめてみて、自分で使えるか判断をした方が良いでしょう。

もちろん、John Frusciante以外にも多くのギタリストから支持を得ており、サウンドへの信頼性、操作性の良さが伺えます。

主要機能を解説します。インプット/アウトプットはステレオ対応になっています。

また、エクスプレッション・ペダルが接続可能で、演奏中などでもリアル・タイムにパラメータを操作することが出来ます。

フット・スイッチは4つ付いており、一番右側がタップ・テンポの設定、残りの3つがプリセット・バンクのロード機能になっています。

そして、ルーパー/サンプリング機能を有しており、正確には15種類のディレイ・サウンドにルーパー/サンプリングが可能になります。

ルーパー/サンプリングで使用する場合には、フット・スイッチは録音/再生機能になり、一番右側は再生スピードの変更・逆再生になります。

ここまで見てみると、近年のデジタル・ディレイで必要な機能は一通り装備しています。ディレイを積極的に使わない方は、少々持て余してしまうかもしれません。

逆に、ストンプ・タイプのディレイで、これだけの機能を有していれば、様々なサウンドメイクが可能になるでしょう。

・パラメータ・コントロール

続いて、パラメータを調整するコントロール・ノブについて解説していきます。

  • Effect Selector ディレイ・エフェクトのモデルを選択します。
  • Delay Time ディレイ・タイムを設定します。
  • Repeat ディレイ音の回数を1回~無限の間で設定します。いわゆる「Feedback」です。
  • Tweak
  • Tweez
  • Mix 原音とディレイ音の音量バランスを設定します。

TweakとTweezは、ディレイ・モデリングのタイプによって役割が異なるのですが、主にトーンを微調整するものになります。

次にエコー・タイプを解説します。

  • Tube Echo Tube Echo EP-1
  • Tape Echo Tape Echo EP-3
  • Multi-Head Roland RE-201 Space Echo
  • Sweep Echo Line 6 Original Echo
  • Analog Echo Boss DM-2
  • Analog W/Mod electro-harmonix Delax Memory Man 
  • Low Res Delay 80年代の8bit Delay
  • Digital Delay 低音域と高音域のトーン・コントロールを有するデジタル・ディレイ
  • Digital W/Mod デジタル・ディレイにコーラスのモジュレーション効果を追加
  • Rhythmic Delay 楽曲中のリズムのキープするディレイ
  • Stereo Delays ステレオのディレイ
  • Ping Pong 2つのディレイが左右パンで交差する
  • Reverse ディレイ音が逆再生される
  • Dynamic Delay t.c. electronic 2290
  • Auto-Volume Echo 2つのエフェクトが1つにまとめられたモデル
  • Loop Sampler ループ・サンプラー機能

となっています。

非常に多機能で、しかも少ないフット・スイッチでコントロール出来る操作性も有しています。

唯一残念なのは、専用のACアダプターが別売りであることです。

通常のエフェクターと異なり、消費電力が多いので純正品を用意してください。

使用方法

まず、Effect Selectorで使用したいディレイ・エフェクトを選択します。

次にDelay TimeとRepeatを設定します。

この設定は重要です。Delay Timeは原音に対してどれだけ遅れてディレイ音を発音させるか、そのディレイ音をどの程度繰り返すかを設定します。

自然なディレイ音にしたいのか、エフェクティヴで飛び道具的に使いたいのか、目的を明確にしておかないと、原音や他の楽器の邪魔をしてしまったり、何をやっているのか分からなくなってしまいます。

ここまで決まったら、Mixで原音とエフェクト音のバランスを取ります。

ここも、原音の後ろにエフェクト音が来ているイメージが自然に聴こえるわけですが、ディレイ音のみを響かせるなど、特殊な使い方をする場合は注意しましょう。

最後の微調整でTweakとTweezを設定するのですが、これらのコントロール・ノブは、選択したEffect Selectorによって効果が変わってきます。

以下、いくつか例を挙げてみます。

Analog Echoでは、Tweakノブで低音域の調節、Tweezノブで高音域の調節が可能になります。

Low Res Delayでは、Tweakノブでトーンの調節、Tweezノブでデジタル分解数を24bitから8bitまでの範囲で調節可能となっています。

このあたりは、説明書をよく読んで使い方を覚えてください。

ルーパー/サンプラー

最大14秒までの多重録音により、ルーパー機能を使うことが可能になっています(24bit本格的ステレオ・サウンド)。

録音した音について、タップ・テンポ・スイッチを操作することで、再生スピードが変更可能になります。

さらに、逆再生機能もついているため、サウンド・エフェクトやサイケデリックな効果、逆再生をバックに一人多重奏も可能です。

本機種を複数接続して、さらに複雑なサウンドを作っているギタリストもいます。

最後に

本機種のディレイ・タイプは多くの種類が装備されており、様々なサウンドを作ることが可能です。

さらに、コントロール・ノブで詳細な調整を行い、音作りにも徹底して拘ることが出来ます。

また、多様な機能も備えており、ストンプ・タイプのエフェクターで、ここまで機能が揃っていて、20,000円台という価格もコスト・パフォーマンスに優れています。

ディレイ・エフェクターは様々な機種が発表されていますが、非常におすすめ出来るエフェクターです。

関連記事

▶︎DD-3 DD-7の評価レビューはこちら!

▶︎DD-500の評価レビューはこちら!

▶︎RV-3のセッティングや使い方はこちら!