日本の大手エフェクターメーカーBOSSのOD-1Xです。
2014年3月OD-1XとDS-1Xが同時発売されました。
今回のBOSSは気合が入っています。
boss od-1Xの評価レビューや音作り。ブースターとして優秀?
これらモデルからBOSSの製品は外箱が黒を基調としたものに変わり、保証期間も5年保証に変更となりました。
保証期間が長くなったことは、デジタルプロセッサーを使用した製品としては、消費者にとって安心です。
この製品はBOSSの開発したMDP技術により、より精度の高いモデリングが可能になっています。
(Multi-Dimensional Processing- 多次元的信号処理 )
デジタル化によりノイズが少なく、そのせいか微妙なピッキングニュアンスも表現できます。セッティングの難しさもなく、簡単に使える音が引き出せます。
MDP技術を採用した歪みエフェクターは初代にあたるということで、オーバードライブモデルとディストーションモデルには「1」という番号が与えられました。
1977年発売のBOSS初のコンパクトエフェクター伝説のOD-1(今でもプレミア価格がついています)の再現と思われるでしょうが、Xがついただけあって、BOSSのブランドイメージを変えるエフェクターに仕上がっています。
筐体は、相変わらずのBOSSの筐体ですが、コントロールツマミが左からLEVEL,LOW,HIGH,DRIVEの4ノブとなり、イコライジングの幅が広がりました。
ノブの下は鏡面仕上げによる銀パネルとなっています。
また、電池交換パネルのネジも銀ネジとなり、そのあたりはOD−1の名前を意識したものなっています。
(厚さも厚くなり指で回せるようになり、さらにワッシャーが付いて、筐体に傷がつかないように細かい気遣いがされています)
消費電力が45mAと大きく、ACアダプター(PSA-100)での使用をおすすめします。(スリープ機能がついていますが、それでも電池の消耗は早いです)
OD-1Xに限ったことではありませんが、電池の消費量がアナログ機種と比べると多いです。
故障防止のための、保護回路もついています。
サウンド
弾いてみて、最初に驚かれるのが、追従性のよさとサウンドの明瞭さだと思います。
何より、倍音の豊かさと音の太さが感じられます。
コードの分離がよく、音が気持ち良く伸びていきます。
従来のチューブスクリーマータイプの回路のものは、低音が削れて、ミッドが持ち上がる癖があるのですが、それはなくなって程よく中域がもちあがっています。
自然なコンプ感があり、音の印象は湿った部屋から出て、日の当たる部屋に引っ越しましたという感じです。
音の立ち上がりが早く、分離の良さとクリア感は今までのオーバードライブとは違う現代的なイメージです。マイルドな歪みの音質ですが、反応が早くシャープに感じられます。ピックが弦に当たる瞬間の摩擦音のようなものからボリュームの変化による際の追従性も注目すべきポイントです。ピッキングタッチがダイレクトに表れるため細かなニュアンスが必要とされるプレイにも最適です。
オーバードライブペダルですが、歪みの幅も大きく、OD-3のDRIVE MAXより歪みます。
(あくまでオーバードライブなので、これより激しい歪みはDS-1Xをどうぞ)
クリーンブースターとしての使い方もできますしゲインを上げればかなり歪みます。また基本的に音自体は太くなります。さまざまなジャンルに対応できると思います。デジタル特有のフィーリングは無く、今までに無かったような自然な奥行きを感じます。
また、LEVELについてもアウトプットレベルが以前より大きくなっています。
さらに、トーンつまみがひとつから、ロー、ハイと2つになったため、より効果的なイコライジングが可能になっています。
ノイズも少なくなっています。これは音の立ち上がりの良さを感じられるポイントとなっております。大音量アンプに接続した場合でも気になるレベルでありません。
セッティング
アンプが貸しスタジオのJC-120のクリーンアンプでも、DRIVE 9時LEVEL13時にするとシングルコイルのギターでも気持ちのよいクランチサウンドが作れます。
LEBELはクリーンなサウンドから右に回していくとかなり歪みは激しくなり、ブースターとしての使用ができます。音の立ち上がりが早く、不自然なアタック感は無くまろやかなコンプ感があり、歪ませても各弦の分離がはっきり確認でき、濁った感じはありません。
Driveのツマミは歪みの量を調整できます。レンジの幅が広く、特にミドルが持ち上がるイメージがあります。左に回すとクリーンサウンドに、右に回していくとオーバードライブサウンドになります。非常に幅広い歪みをコントロールできます。
ハムバッカーの場合にはギターのヴォリュームをすこし絞るといい感じになります。
開発陣はJC-120でテストを行っているのでしょうか、JC対策にはぴったりです。
もちろん、普通のオーバードライブとしてもとても良い音になります。
トーンはLOW、HIGHがついておりSD-1とくらべると幅広いサウンドメイキングができます。
アンプがフェンダータイプの場合には、ロー、ハイを抑えめ、マーシャルタイプの場合にはBASSツマミを下げて暴れるローを削ったりすると良いと思います。また組み合わせるアンプによってはさらに幅広い表現ができます。
いずれの場合にも2つのトーンコントロールが有効に役に立ちます。
クリーンブースターとしても優秀で、DRIVE 0 LEVEL 13時 で気持ち良くブーストが可能です。
もちろんここでも2つのトーンが有効に働きます。LOWとHIGHのコントロールの幅が広いので幅広いトーンコントロールが可能です。曲によってセッティングを変えたいときでも、思い通りに素早くサウンドメイキングができます。どのようなセッティングでも輪郭のあるクリアなサウンドが特徴です。オーバードライブ系にありがちなHIGHを下げたら歪みが減ってしまったとか、DRIVEを下げたら低域が不足してしまった、というようなことはありません。HIGHとLOWを下げ目に設定することでクリアなサウンドはブースターとしても最適で、その設定は簡単に素早くできます。
きれいなクランチから、かなり歪んだオーバードライブまで守備範囲の広いエフェクターになりました。
昨今のブティックペダルの台頭に対して、デジタル技術を研究し続けているBOSSが出した答えがこの渾身のオーバードライブペダルではないでしょうか。
(ただし、数年後は抜かれているかもしれません・・だって、BOSSだから)
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