皆さんはどのようなメーカー、機種のオーバードライブを使っているでしょうか。
近年では、ベーシストがオーバードライブを使うことは一般的になってきました。
ベース用に特化しているので、帯域の異なるギター用を無理に使わず、ベース用の専門を用意する方が良いです。
今回はBehringer(ベリンガー)社のオーバードライブ、BOD400 Bass Overdriveの音作り・セッティング等について書いていきます。
BOD400のサウンド
Boss ODB-3は、決して綺麗な歪みではなく(悪い意味ではなく)低音が強く、アタックの粒が荒い音でした。
Behringer BOD400 Bass Overdriveは、ODB-3に比べると少し大人しさを感じますが、ウォームなサウンドです。
また、ダイナミックレンジは若干狭く感じるものの、音質は低音が強いと思います。ウォーム、人によってはブーミー(荒さを感じる)かもしれません。音の太さを感じるエフェクトだと思います。
歪みを絞っていくと、音質をいじる事が出来るベース・ブースター的にも使えます。
Lowのコントロールが、このエフェクターの特徴を出すポイントではないでしょうか。
正直、3,000円台(2019年現在)でこのサウンドの出来には、本当に驚かされます。
BOSS OBC-3のコピーモデルと思いきや・・・?
まずはこの機種に装備されているコントロール部のツマミから解説していきます。
- Level 音量を調節します。
- High 高音域をブースト/カットします。
- Low 低音域をブースト/カットします。
- Gain 歪みの強さを調節します。
- Bal(Balance) 原音とウェット音(歪ませたエフェクト音)のバランスを調節します。
コントロール部だけを見てみると、BossのOCB-3のコピー・モデルでは、と思ってしまうくらい同じ、そのままです。
敢えて違いを挙げるとすれば、GainとBalanceのツマミの位置が逆とか、HighとLowが2軸ポットではなく独立したツマミになっている、というような点です。
ツマミを見ても、セッティングの点でも原音とウェット音のバランスが取れるので、原音の芯の音を残しつつ、歪みを混ぜていく、というサウンドメイクが想像出来ます。
この機種に限らず、オーバードライブは近い価格帯なら、だいたい作りは同じ、と思ってしまうものです。
ところが、肝心のサウンドについては、意外にも同じではありませんでした。
BOD400の音作り・セッティング
BOD400を上手く活用出来るセッティング例をいくつか挙げます。もちろん、使用するベースやアンプによっても変わってきますので、あくまでも参考にして下さい。
・1.ベースの音量・音質調整
- High…5
- Low…5
- Gain…3
- Bal…0(Gain側に振り切る)
僅かに歪ませ、音質はフラットな状態とすることで、コンプレッサー的な使い方のセッティングです。これは常にかけっぱなしです。Levelをコントロールする事で、ブースターとしても使えます。
このセッティングは、ロック、ポップスなど、ジャンルを問わず幅広く使える音になると思います。
・2.ベースの芯を潰す
- High…6
- Low…0
- Gain…10
- Bal…1~3
敢えてベースの原音の芯を潰し、和音が弾けるようなセッティングをイメージしています。音が濁らないように、低域をカットしてしまいます。
ファズでも同様のサウンドを作る事が出来ますが、芯を残す点を狙ってBalをコントロールして下さい。
3.独特なサウンド
- High…8
- Low…8
- Gain…10
- Bla…6
Red Hot Chili Peppersの「Around The World」のイントロのようなベース・サウンドをイメージしたセッティングです。
Lowをしっかり稼いでおかないと、全体的にも軽めの印象になりがちなので、使用しているベースやアンプとの組み合わせでじっくりセッティングに取り組みましょう。
BOD400の欠点
操作性は一般的なオーバードライブと同じでとても良いです。サウンドについては、「値段を考えると」素晴らしいですが、やはり、それなりのサウンドである事は否めません。
5弦ベース等のLow Bで弾くと少々難があり、使える帯域が限られているような感じがします。
ただし、そう言った部分がハマるジャンル(ノイズ系など)だと、どことなく感じる物足りなさ、チープさが逆にしっくりくるかもしれません。
また、筐体が弱いため、あまりOn/Offを繰り返すと壊れてしまう恐れがあり(コストカットの影響でしょうか)、ライブやツアーをこなすベーシストにとっては、長期間の使用に注意が必要です。
しかし、個人的にはそう言った欠点部分も含めて、価格を考えると試しに購入して遊んでみたり、スタジオに持ち込んでみるのが良いと思います。
宅録の際の音作りや、モニタにかましてみるなど、ぜひ検討して下さい。