Epiphoneは、The Beatlesの使用で一躍有名になったCasinoのほか、エレクトリック・ギターに次々と革新的な機能を追加してきたブランドです。
現在はGibsonの参加になっており、Gibsonの廉価版ブランドとしても製造・販売を行っています。
もちろん、Epiphoneオリジナルの製造も続けており、アコースティック・ギターも同様です。
驚くほどの低価格は、徹底して合理化された生産体制により可能となりました。
ラインナップも豊富で、通常のフォーク・ギター・タイプから、リゾネイター・ギターまで生産しています。
Epiphoneのアコースティック・ギターの評判やおすすめは?
Epiphone製のアコースティック・ギターというと、最近のお笑い芸人のみやぞんが使っているギターが、Epiphone Dove Proです。
Epiphoneのアコースティック・ギターの最大の特徴は、何と言っても値段が安いことです。
価格も驚きの1万円台からが用意されており、大変良心的です。
Gibsonのセカンド・ブランドとはいえ、価格面を考えると品質に不安がありそうですが、製作技術などの飛躍的な向上により、問題ないレベルになっています。
Epiphoneの工場はアジアが中心ですが、基本設計がしっかりとしているため、アジア工場で生産されていても心配ありません。
冒頭で紹介したThe Beatlesを始め、使用しているプロのギタリストも少なくありません。
リーズナブルで、かつGibsonのスピリッツも受け継いでいます。
主な製品として、
- Texan Paul McCartneyが「Yesterday」で使用。
- EJ-45 GibsonJ-45のEpiphone版復刻モデル。
- Hummingbird Pro Gibsonの同名機種をスクエア・ショルダーに変更し、ピックガードに鳥の絵はそのまま。
- Dove proモデル
があります。
Hummingbird ProとDove Proにはピックアップシステムが搭載されていますので、プラグインとしても使用可能になっています。
オール単板でピックアップ搭載でも、5万円ぐらいで手に入ります。
特に美しいアコースティック・ギターと言われるGibson DoveやHummingbirdが、この価格帯で手に入るとは、本当に驚きです。
Masterbilt Series
Epiphoneの高級モデル・ラインナップとして、Masterbilt Seriesがあります。
通常のラインナップとは一線を画したクオリティーを持っており、材料の選定、作り込みに至るまで、しっかりとした製造がなされています。
Masterbiltシリーズは、Epiphoneの産みの親である、Epi Stathopoulo氏が1930年初頭に発表したラインアップとされています。
当時のトップ・クラスのプレイヤー達の演奏から着想を得て、プロ仕様の高品質なギターを、多くの人々の手に届く価格帯で届けたいという思いから生まれたシリーズです。
このシリーズのモデルは全てソリッド・ボディ、ネック・ジョイントはニカワ接着、ボーン・ナットに、ボーン・サドルとなっています。
ペグはグローヴァー社製「Sta-tite」が使われていたり、ネック材もマホガニー1ピース(一部例外もあり)と伝統が受け継がれている仕様となっています。
ブレーシングにはスキャロップド・ブレーシングを採用されており、これはトップ材の振動を伝えるために、途中の干渉を少なくする効果があります。
ネックは、他のモデルより太めのシェイプになっており、握りやすさは人を選びますが、非常にまろやかで明瞭なサウンドは、他のモデルにはない特徴と言えます。
ギターのサウンドは高音域の抑制・中音域の強さかつ音圧があり、非常に「ギターらしいギター」になっています。
このシリーズでは、ドイツのShadowエレクトロニクスのピックアップが採用され、エレアコ仕様となっています。
こういった信頼性のあるパーツを選ぶ辺りはさすがで、プレイヤーの視点に立った、使いやすく実用的な選定ではないでしょうか。
ギターのセット・アップには、Gibson製ギターにも採用されている「PLEK」を採用し最終セット・アップをしていますので、フレットやネックの状態はほぼ完璧に仕上がっています。
これだけ豪華装備でも10万円以内という価格帯で、とてもコスト・パフォーマンスに優れていると言えます。
この辺りがEpiphoneというブランドの魅力ではないでしょうか。
・Masterbiot Series AJ-45ME
Gibson J-45をモチーフとしたギターで、オール単板で、ネックは程良いグリップ感のあるDシェイプとなっています。
こちらも破格な年弾であるにもかかわらず、サウンドはしっかりとした音圧を持っており、本格的アコースティック・ギターと言える機種です。
シンプルなギターですが、非常に良く作られており、扱いやすいギターです。
・Masterbilt Series DR-500MCE
ドレッドノート・シェイプでシングル・カッタウェイ仕様のギターです。
スケール(音階ではなく弦長)は、ロング・スケールとなっており、また、ネック・シェイプはDシェイプでやや太めのネックになっています。
この仕様から生まれるアコースティック・サウンドは、タイトでしっかりとしたテンションがある引き締まった音で、重厚で甘めのトーンが特徴です。
近年、女性の弾き語りがちょっとしたブームになっているようですが、この機種も片平里菜さんが使っていることで有名になっています。
・Masterbilt Series EF-500RCCE
やや丸めのオーケストラ・シェイプのボディを持った機種です。
材は、シダーのトップ、サイド/バックにはローズウッドが採用されています。
ネックはCシェイプで、ここまで紹介してきた機種で使われているDシェイプよりも若干太めで、ヴィンテージ・テイストです。
フィンガー・ピッキングでの演奏に適しています。
まとめ
巷の評判を聞くと、必ずしも好意的な意見ばかりでなく、「良くない」という声もあるようなので、迷われている方もいるのではないでしょうか。
これは、Gibsonの「廉価版」、そして工場がアジアにある、というのが良くも悪くもステレオ・タイプなイメージを付けていると思います。
はっきり言ってしまうと、これらのイメージで「安物」「作りが荒い」と思う人もいるかもしれません。
Epiphoneは日本にも工場がありましたし、韓国製もあります。
かつては日本製も「安物、コピー」と言われていた時代がありますが現在では品質を認められているものも多くなっています。
また、現在では、「アジアにある工場」と言っても、しっかりとした設計、基準で設定されている材の使用が徹底されているため、作りが悪いというのは、前時代のイメージです。
そのようなイメージを拭い切れない人は、意外と多くいるもので、その噂がまだ根づいているとも考えられます。
また、それとは逆に、ブランドは関係なしに音、機能性、弾きやすさ、価格などで満足して購入する人もいます。
ギターを選ぶとは、本来的にそういうものだと思います。
もちろん、特にギターは生きた木から作られているため、他の工業製品に比べて個体差もあるかと思います。
音やフィーリングを確かめて「これだ!」と思える1本に出会えるまで、できるだけ数多くのギターを手に取ってみてください。
そのためには、自分の技術や知識を深めて、どんなギターが自分に合っているのかを客観的に分析できるようにならないといけません。
特にアコースティックギターは、同じような形あっても、素材や製造工程などで一本一本違うため、何を基準に選べば良いか迷ってしまうかもしれません。
例えば、音量に影響してくるところではありますが、ボディ・サイズで選ぶのも一つの選び方です。
ストローク中心なのか、アルペジオなのか、など、求める音楽スタイルや自分の得意とする奏法に適したものを選ぶのも良いでしょう。
特にEpiphoneは、ギターを弾きながら歌うシンガー・ソングライターによく使用されているイメージがあります。
もちろん「ハズレ」だと思うギターもあります。
それはそれで、「自分の見る目がなかった」と捉えるか、「自分の求める音やスタイルに合わなかった」と考えるかは自分次第ですが…。
EpiphoneのFirebirdの特徴は?
Epiphoneは長い歴史を持つブランドですが、1957年にGibsonに買収されています。
現在もブランド名を冠した機種を製造している一方、Gibsonの廉価版の製品を製造・販売も行っています。
現在主な工場は、中国や韓国にあります。
Gibsonモデルで有名な、Les PaulやES-335、Firebirdなどももちろん手掛けています。
Les Paulモデル
Les Paulモデルは、値段が安いのは良いですが、ヘッドの形状がGibsonのオリジナルと異なっているため、購入に今一歩踏み切れない理由になっているようです。
Gibson Les Paulの美しいヘッドの形状と比べてしまうと、当然長らかなり大きなハンデがあります。
OEM生産の頃に、日本で製作された機種には、Gibsonのオリジナルと同じ形状のヘッドのものがあるので、現在でも中古市場で人気があり、高値で取引されています。
ギターとしての性能は、生産国が中国となっていることもあって、見た目はLes Paulの形をしており、Gibson傘下ということもありますが、Gibson Les Paulをイメージしていると、大失敗します。
材のグレードなども大きく違いますし、パーツやアッセンブリーも安いものを使用していますので、似ても似つかぬ「見た目だけ」のLes Paulです(そこそこの音ではあります)。
Gibson Les Paulに仕様を合わせてしまうと、当然それなりの値段になってしまうわけで、Epiphone Les Paulの値段では、使えない事もありませんが、本当にそれなりの音です。
中国製ですので、イメージ通り作りも粗く色々と問題があります。
現在では通販でギターを購入することが多いらしいですが、楽器は個体差が大きいので、必ず店舗で実物を見て、試奏してから購入することをおすすめします。
改造して使おうと思っても、元の素材の質が良くないので、大化けすることもないでしょう。
その辺も頭に入れた上で、購入を検討しましょう。
Les Paul Custom
Les Paul Customモデルは、各パーツにゴールド、四角いスクエア・インレイにヘッドにはダイアモンド・インレイというLes Paul Customスペックと同じ仕様を持ったLes Paulモデルです。
Gibson Les Paul Customをかなり意識していることが窺え、そのサウンドを追求していることが分かります。
Epiphone Les Paul Customにも上位機種が存在しています。
その機種には、ピックアップにコイルタップ機能が採用されていますので、幅広い音作りが可能となっています。
また、シグネイチャー・モデルも発売されています。
・Matt Heafy Les Paul Custom
Triviumというヘヴィメタル・バンドでギター/ボーカルを務める、Matthew Kiichi Heafyのシグネイチャー・モデルです。
ピックアップは、アクティブ・ピックアップのリリースで有名なEMG 85と81が採用されています。
ボディ・バックのバインディングを廃し、ジョイント部に大胆なヒール・カットが施されており、ハイ・ポジションが弾きやすくなっています。
Les Paul Customを意識してか、ブラック・パーツになっています。
・Matt Heafy Les Paul Custom-7
Les Paulの7弦仕様という、非常に珍しい機種です。
手軽に安価で7弦ギターを試したい、という方にはとてもおすすめです。
安心のEpiphone、そしてLes Paulで7弦ギターを弾けるというのは、非常に魅力です。
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