今回は、左手(弦を押さえる方の手の指)に水ぶくれが出来てしまった時の対処の方法を紹介します。
指弾きの場合は右手(左利きの場合は左手)にも出来ることがありますが、今回は弦を押さえる方の手の指についてです。
ベーシストにとって指は非常に大事です。繊細でデリケートな部位でもありますので、しっかりケアしましょう。
水ぶくれが出来ないようにするには
十分なウォーミング・アップをしない、久しぶりにベースを長時間弾き続けた、変なフォームで押弦して弾いているなど、指先が痛くなる原因は様々です。
これは押弦している指に力が入っているからです。ベースはギターに比べて弦が太く、フレット間の指板も広いので当然なのですが、この状態で一旦ベースを弾くのを中断すれば、水ぶくれは出来づらいです。
しかし、痛みを気にせずに弾き続けた場合や、痛みを感じない場合は、水ぶくれが出来てしまいます。
水ぶくれを潰すと火傷したようになり、傷跡が残る可能性もあります。
水ぶくれが出来ないようにするためには、弾いているときの指先の感覚に注意しながら、正しいフォームと力の入れ方で弾くようにすることです。
指が赤く腫れてきたらすぐにベースを弾く事をためて、腫れた患部を冷やしたり、酷い時は医療機関を受診するようにしましょう。
水ぶくれが出来きてしまった場合の対処方法
注意していたつもりでも、気が付くと水ぶくれが出来てしまっている場合があります。
もちろん、そうなればベースを弾かずに指を休ませるのが一番いいわけですが、ライブ等その状態でも弾かなければならない場合は、何かしらの対処法が必要になります。
まず、水ぶくれが出来ていない指で代用出来そうであれば、それが一番早いです。
普段から、このフレーズを弾く場合の運指はこう!と決めつけていませんか?
どの指でも柔軟に弾けるように、普段から意識して練習しておきましょう。
それが難しい場合は、どうすれば良いかを以下で書いていきます。
・指先に絆創膏を貼り、ガーゼと医療用テープで固定
自分の方法ですが、指先に絆創膏を貼り、ガーゼと医療用テープで固定しています。
絆創膏だけだと、ちょっと弾いているとベタついてくるのと、スライドやハンマリングやプルなどをした時に剥がれやすいです。
また、弦を押さえる力を意識的に弱くして、痛みを軽減させています。
他の方法では、指サックを使うというベーシストもいますが、自分は弦の感覚を指で直接確かめながらでないと弾けないので、試したことはありません。
もし自分の方法を試していただき、良かった!という方がいましたら、コメントに書いていただけると嬉しいです。
水ぶくれの治し方
よく聞く、即効性のある対処として、針で穴を空けて膨らんだ水を出し切ってしまうという方法があります。これは絶対にやらないで下さい。
無闇に水ぶくれを壊すと、そこから細菌が入る可能性があります。
水ぶくれが出来てしまったら、通常はそのままの状態で放置しておくのが良いです。
もし何かに当たったりして、痛みを強く感じる場合は、絆創膏を貼る等して対処してみて下さい。
どんなに気を付けていいても、水ぶくれになる時はなってしまいます。いつもよ久しぶりに長い時間演奏したり、盛り上がったテンションで演奏している(普段と違った力が指にかかっている)場合には、インターバルの時に指先をチェックして、簡単なケアもして下さい。
それだけでも水ぶくれが出来るのを、多少は防ぐことが出来ます。
ベースで爪が当たる。爪の長さと爪で弾くのはアリかどうかについて。
水ぶくれから話は変わりますが、ベースで指弾きしている時に、爪が当たる音がする場合があります。
これは当然、弦を弾く方の指の爪が伸びているからです。
ベースを指弾きする際に爪が当たるのはアリなのでしょうか。
指弾きの場合の、最適な指の長さというのは、一体どれくらいなのでしょうか?
指で弾く場合の最適な爪の長さ
現に爪が当たる音が気になる場合は、当然ながら弦を弾く指(右利きであれば右手)の爪は出来るだけ切る事が望ましいです。
指の爪の白い部分は、すべて切ってしまいます。
爪切りで切りきれないような細部は、爪用ヤスリできちんと丸くなるように削って下さい。
それでも爪が当たる音がしてしまう場合がありますが、その本当の原因は、弦を弾く指の角度にあります。
ボディに対して平行に近い状態で、指に弦を当てていくと、爪が当たりやすくなってしまいます。
ボディに対して45度以上の角度で、指に弦を当てていくと、爪が当たりにくくなります。
また、個人の爪の形状にもよります。
上記の方法を試しても爪が当たってしまう場合は、自分にとってどう弦を弾くと爪が当たらないようになるのか、力の入れ方、弾く時の指の深さ、腕の角度等色々試してみて、最も自分に合う方法を見つけて下さい。
特に黒人ベーシストは、みんな本当に個性的な弾き方をします。どんなに個性的なスタイルでも、要は「理に適った」弾き方であれば良いのです。
本当に爪は当たらない方がいいのか?
爪が当たる音が気にならない、逆にその爪が当たる音が良いと思う人もいるようです。
例えば、世界的に有名なヘヴィメタルバンド、アイアン・メイデンのベーシスト、スティーヴ・ハリスがその一人です
彼は指で弦を弾く際、わざと爪を当てて、アタック音を強調してバキバキとしてベース・サウンドに仕上げています。
かなり歪ませた音のギターが2本あるバンドで、自分の音を埋もれさせず、尚且つしっかりとしたベースらしい音を弾くために作り上げたテクニックだと思います。まさに個性的なベースです。
このやり方はとても難しく、普通の弾き方に慣れている人には、かなり弾きにくく感じると思います。
しかし、音的には目立ちやすく、指弾き特有の太くて甘いトーンも出す事が出来るにで、ヘヴィメタル以外でも活用の価値は十分にあると思います。
爪を切るどころか爪で弾く人もいる
クラシック・ギターは基本的に爪でピッキングします。
ベースは弦がギターよりもかなり太いため、爪で弾く人はほとんどいません。
しかし、バニー・ブルネルというベーシストは、爪でベースを弾いています。
彼は、ジャコ・パストリアスと同時期から活動しているフランス出身のフレットレス・ベーシストです。ジャコ・パストリアスが有名過ぎて、ジャズ・フュージョン好き以外からはあまり知られていません。
フレットレスはモコっとした音で、ピッチの微妙なズレもあってかアタックは弱めです。爪で弾くことにより、アタック音が強調された音になっています。
自分にあった爪の長さを見つけよう
爪のアタック音を不快と思うかどうかで、爪の長さや使い方をどうすべきかが変わってきます。
自分の演奏スタイルや演奏したいジャンルを考え、また自分の求めているベース・サウンドをイメージしながら、爪の長さを決めるべきだと思います。
ベースの弦の太さの違いとは?音は変わる?
さて、話を水ぶくれに戻します。
水ぶくれの原因として、使用している弦の太さも考えられます。
今回は、ベースの弦の太さとその違いについて考えていきたいと思います。
ベースのスケールに合わせた弦を選ぶ
弦は、ベースのスケール(メジャー・スケール等の「スケール」ではなく、ボディからヘッドまでのネックの長さ)に合わせたものを使用するようにして下さい。
大別して「ロング・スケール用」「ミディアム・スケール用」「ショート・スケール用」とありますので、自分のベースのスケールに合うものを選びましょう。
もし、自分の持っているベースのスケールが分からない、という方は、購入した楽器屋にそのベースを持って行って、スケールの長さを調べてもらいましょう。
弦の太さの種類
ベースの弦には、パッケージに太さが書かれています。
例えば、40の場合は直径0.40inで、ミリで言うと約1.14mmという太さになります
数字が大きくなれば、当然弦は太くなります。
各弦のメーカーによって差異はありますが、弦のセットはおおよそ下記のようになります。
・0.40、0.60、0.75、 0. 95もしくは0.40、060、070、095
一番細いタイプのベース弦セットです。
D’AddarioではSuper Light Gauge、Ernie BallではSlinky Extraという商品名になっています。
・0.45、0.65、0.80、1.00
上記のベース弦セットを一回り太くしたもので、ロング・スケールではこのセットが標準の弦の太さとされています。
D’AddarioではRegular Light Gauge、Ernie BallではSlinky Superという商品名になっています。
・0.45、0.65、0.85、1.05
標準のベース弦セットの太さから3弦、4弦だけを太くしたものです。
D’AddarioではReg Light Top/Med Btm、Ernie BallではSlinky Hybridという商品名になっています。
0.50、0.70、0.85、1.05
標準のベース弦セットを全て一回り太くしたものです。
D’AddarioではSuper Light Gauge、Ernie BallではSlinky Extraという商品名になっています。
・0.55、0.75、0.90、1.10
普通に入手可能なものの中では、最も太いベース弦セットです。
D’AddarioではHeavy Gauge、Ernie BallではPower Slinkyという商品名になっています。
弦の太さによる音の違い
ベース弦の太さを変えると、当然その音も変わってきます。
では、どのように変化するのでしょうか?
・弦が太い場合、細い場合のメリットとデメリット
弦が太いと、弦のテンションが上がってクリアな低音が出る反面、しっかり押弦しないと良い音を出す事が出来ません。
ちゃんと押弦しないで音が出せないのでは本末転倒なので、そう言った場合はより細い弦にしましょう。
弦が細い場合は押弦しやすくフィンガリングが楽になり、丸めの音が出やすくなります。
しかし、太い弦に比べると美しい低音は出にくくなり、無理に出そうとすると音の輪郭がなくなっていまします。
・ダウンチューニング
ベースのチューニングを落とす(音程を下げる)と、弦のテンションが緩くなります。
その緩さが気になる場合は、普段使用している弦よりも太い弦を選んで下さい。
自分の出したい音、プレイ・スタイル、音楽性等を考えて最適な弦の太さを選ぶようにしましょう。