ベースがかっこ良く、尚且つ簡単な楽曲は聴いていて楽しく、自分も弾いてみたい、そして覚えたら何度も弾き続けてしまうものです。
今回は、個人的にかっこいいベースの楽曲、「これならすぐ耳コピで弾けそう!」と思える楽曲を集めてみました。興味を持ってもらえたら嬉しいです。
ベースがかっこいい簡単な曲・フレーズとは?
ベースフレーズが目立ちカッコいい曲
・Kasabian/Club Foot
The Stone Roses、Oasisと英ロックの系譜を受け継いでいるバンド、Kasabianが2004年にリリースした2ndシングルの楽曲です。
冒頭からファズっぽい歪みで、ベースリフを刻んでいく楽曲ですが、決してそんなに難しい楽曲ではありません。
このリフが、冒頭からということもあって、楽曲の全体イメージを支配しているように感じます。
間奏のベースソロもシンプルですが、とても印象的で、「弾くのは簡単だが作るのは難しい」ですね。
ちなみにこの楽曲では、OasisのNoel Gallagherが、ここ10年のUKロックシーンで最高のベースだと評価しています。
・Muse/Uprising
今やビック・ネームになった英国の3ピースバンド、Muse(ミューズ)の2009年リリースの楽曲です。
余談ですが、この楽曲が発表されてもう10年になりますね。
楽曲全編に渡って歪んだベースを鳴らしていますが、よく聴くと、基本的にルート音中心のベース・ラインになっているので、覚えるのもそれほど苦労はしないと思います。
ベースをがっつり歪ませて問題ないのですが、芯は保つように気をつけましょう。
Museは他の楽曲でも、例えば「Hysteria」など、ベース・フレーズがとてもかっこいい楽曲が多いので、ぜひ聴いてみてください。楽曲構成の全体像も見えてきます。
・Michael Jackson/Billie Jean
今でもキング・オブ・ポップスと呼ばれるMichael Jacksonの1982年発表の楽曲です。
この楽曲で使われているベースはシンセ・ベースで、何となく時代を感じさせます。作りはロックのリフっぽくもあり、弦のベースで作られたのかもしれません。
ドラムのキックとベースによる4つ打ち中心のダンス・ミュージックで、当時の空気が伝わってきます。
ロック系のベーシストやギタリストでも、このリフをコピーした人は多かったそうです。
ベース・フレーズが簡単で覚えやすい曲
・Ben E.King/Stand By Me
Ben E.Kingが1961年に発表した楽曲です。
余りにも有名過ぎる楽曲で、同名映画のサントラとしてリバイバル・ヒットもしました。John Lennonも自身のカヴァーアルバム「Rock’n’Roll」で演奏していました。
この楽曲は同じコードとフレーズの繰り返しで、すぐに覚えられる簡単なベースの代表でもあります。
それだけに、ロックの基本的なコード進行とリズムの取り方が勉強になります。
また、単純なだけに、自分なりのアレンジをどんどん入れてセンスを試すことも出来ると思います。
・Nirvana/Smells Like Teen Spirit
こちらも有名過ぎる、Stand By Meから30年後の1991年リリースのNirvanaの代表曲です。30年でこんなにロックは進化したのか、と思わされます。
多少のフレーズの違いこそありますが、こちらの楽曲も基本的に同じフレーズがループして構成されています。
Stand By Meよりもパワフルなイントロのリズム・リフですが、同様にコード進行に忠実なので、こちらも覚えやすいです。
最小限の技術で最大限の効果のベースフレーズ
・The Rolling Stones/Paint It, Black
こちらも超が付くほど有名なThe Rolling Stonesが1966年に発表した楽曲です。
この楽曲も、ベースは難しいテクニックや難解なコード進行を使っているわけではなく、やはり基本的なフレージングです。特筆すべきは楽曲のエンディングにあります。
下記のオフィシャル・ビデオで2:18辺りから効果的に4弦のグリッサンドが入ってきますが、ただグリスしているだけでなく、この楽曲の不気味さ、果ては当時の「悪魔憑きストーンズ」と言われた、何か異世界めいた雰囲気を演出しています。
このプレイは、「最小限の技術で最大限の効果を出すフレーズ」と言えるでしょう。
ちなみにベーシストは脱退してしまったBill Wymanです。
覚えるのは簡単だけど弾く事が大変な曲
最後に、覚えるのは簡単ですが、最後まで弾き切る事が大変だと思う楽曲をご紹介します。
・Red Hot Chili Peppers/Parallel Universe
この楽曲はスラップも出てきませんし、キメ以外では基本的にルートしか弾いていないので、運指さえ出来ていれば、すぐに覚える事が出来ます。
しかし、楽曲が始まった瞬間から終わりまで、ベースは16分をキープしたまま弾き続けなければならないのです。
休める箇所は一切出てきません。
16分リズムの習得には持って来いの楽曲です。
ベースの耳コピ方法。音が聞こえない・できない時のコツ。
ある楽曲をコピーしたいと思う場合、まずはスコアを見てタブ譜を追っていくのが一般的だと思います。
現代では、ネットで検索すれば、わざわざスコアを買わなくても、スコアを無料でも見れたり、コピーの解説動画を参考にしたりと、とても便利です。
ですが、もっとも効果的なのはやはり耳コピです。
何より音程(音ではなく相対的な音程)を把握する能力が鍛えられるからです。
基本的に低音の聴き取りは、高音の聴き取りに比べると、人間の聴覚上困難だとされていますので、難易度は高いです。
もちろん訓練を重ねれば聴き取れるようになりますが、それでも聴き取りづらい場合もあります。
今回は、耳コピでベース音が聴き取りづらい場合の対処法やコツを書いていきます。
まずはコード進行を把握する
ジャズならまだしも、普通のロックやポップスであれば、ベースの音はルート音が中心で、コード構成音や経過音がフレーズを作っています。
ですので、コピーしたい楽曲のキーとコード進行が分かれば、ある程度の予測が可能ということになります。
そこで、まずはコピーしたい楽曲のキーとコード進行を把握しましょう。
自力で出来る場合は問題ないです。大抵の楽曲はキーが最初のコードになっていますから、その音さえ見つかれば、後はコード進行の理論に当てはめて、耳で聴いて調整していけば良いのですが、分からない場合はスマホのアプリを使用すると便利です。
いくつかのアプリがリリースされていますが、個人的におすすすめなのは、YAMAHAのChord Trackerです。
どのアプリでも、本当に正確な音は取れない(特に速いリフものは弱いようです)ので、聴いてみて違和感のある箇所は自分で弾いてみて調整が必要なのですが、このアプリはそうした微調整機能もありますので、非常に便利です。
リフが中心になっているような楽曲では、アプリはあまり役に立ちません。
その場合はギターの音を拾って、リフを作っている中心音を見つけて、コードを当てはめてみてください。
ベースの音が出るタイミングを把握する
楽曲の中でベース音が強くなる箇所や、弱くなる箇所、あるいは休符の隙間があります。次はそれを把握します。つまりリズム、ノリを掴んでいきます。
おおまかなリズムを把握したら、ここでは音程ではなく、タイミングやアタックなどを拾っていくようなイメージです。
あまりその箇所が分からない、聴き取りづらいと感じた場合は、何らかの楽器とユニゾンして弾いている(同じ弦楽器のギターの場合が多いです)可能性が高いです。
そのような場合には、その同じフレーズを弾いている楽器で音を拾ってみましょう。
タイミングに合わせて音を当てはめてみる
ベース音を出すタイミングが判明したら、後は音程を見つけてフレーズを追います。
使っているコードの構成音を当てはめてみて、違和感なく合っている音を選択していきます。ここで大事なのは音と音の間隔(これが音程の定義です)を認識する力、相対音感が必要です。相対音感は前述のとおり、コピーをしたり音楽にたくさん触れる事で、鍛える事が出来ます。
初めのうちは時間がかかります。コード構成音だけでは合わないと思ったら、分かっている音からの音程を一つずつ試して当てはめてみます。
どうしても分からない場合は、分かっている音同士を繋げて、その間を違和感なく聴こえる音で埋めてみましょう。
キーから外れた音であっても、目立つ箇所や装飾的な音はであれば、問題なく聴けるはずです。
番外編:PCのアプリケーションを使う
PCで波形編集等が可能なソフトウェアやアプリケーションがある場合は、それを活用する方法もあります。
イコライザーで高域/中域を削ってベース音を目立たせたり、センター・キャンセル機能を使ってヴォーカルやメインのりーど楽器の音を省いたりなど、自分なりに聴き取りやすい音源を作って、それを耳コピする方法もあります。
現在は便利なアプリも多いので、上手く活用するのが良いと思います。
しかし、音源などを何度も聴いて耳コピをするのが、やはり一番効果的です。音と音の間隔を認識する能力が身に付くからです。