BOSS ceb-3(ベース専用コーラス)のセッティング・音作り。

今回はベース専用のコーラス・エフェクター、Boss CEB-3について書いていきます。

コーラスというエフェクトは、原音と微妙にピッチのズレた音を遅らせ、原音と合わせて出力する事で、コーラスの効果を得る事が出来るエフェクターで、ギターやボーカルでよく使われています。

CEB-3の前身機種であるCE-2Bは、ギター用コーラスの名機と言われたCE-1をベース用に低音域に重点を置いて調整し、ベースの倍音成分を中心にコーラスをかけるものでした。

これは低域にピッチの異なる音を加えると、音がどうしても濁ってしまうという性質を考慮しての事だと思います。

CEB-3は、そういった部分は意識しつつも、ほぼゼロから設計し直して、よりベースに特化させた構造になっています。

CEB-3の基本機能

それでは、CEB-3のコントロール部分を解説していきます。

  • E.Level. エフェクト音の音量を調節します。
  • Low Filter  先ほど書いたロー・フィルターです。エフェクト処理をする帯域を指定します。
  • Rate  コーラス音の揺らぎのスピードを調節します。
  • Depth  コーラス音の揺らぎの深さを調節します。

このエフェクターはステレオ・アウトも装備されているので、片方から原音、もう一方からエフェクト音のみを出力することが出来ます。

ステレオで使用した場合は、モノラル出力よりもクリアに原音とエフェクト音が分離されますので、音が埋もれずにワイド感が増すことになります。

最大の特徴で、かつ”使える”ローフィルター

Boss CEB-3の最大の特徴、それは「ロー・フィルター」です。

このロー・フィルターは、原音に対してコーラスをかける帯域を変える事が可能です。

ベース用コーラスにありがちな、低音が浮ついてしまう、という問題点もなく、狙った帯域にかける事が出来ます。

うっすらとコーラスをかけたい、または全帯域にコーラスをかけたい、といった調整まで可能という高機能です。

ステレオ出力する場合は、原音とエフェクト音を分離して出力出来ますので、サウンドの立体感も確認しましょう。

CEB-3の音

それでは、実際の音色について書いていきます。

BossのYouTube公式チャンネルにデモ動画がアップロードされているので、こちらの動画を再生して音を確認してみましょう。

前半は薄めにコーラスをかけた状態でのプレイです。原音の劣化や、音質変化もなく、しっかり出力されているのが分かると思います。

その原音に対して薄くコーラスがかかっており、ロング・トーンになるとコーラス効果がより顕著に聴こえています。

1:00以降では、スラップ奏法でプレイしており、上記のセッティングからLow Filterを変更して全帯域にコーラスがかかるようになっています。

スラップ・プレイにでは、かなりきらびやかな音になっています。おそらく高域もコーラスでカバーされており、倍音も潰れる事なくしっかり出力されているからだと思います。

動画では分かりにくいですが、アンプを通してステレオ・アウトで出力された、コーラス・サウンドを是非体験していただきたいです。

想像しているよりも、かなり強烈な「揺らぎ」を体験できると思います。ただし、ベース・アンプを2台用意しなければならないので手間がかかりますが、やってみる価値は十分になります。

総論

現代では、ベースにコーラス・サウンドを求めるのは、珍しい事ではなくなりました。

その中で、初心者の方から、サウンドメイクで検討している方まで、とてもオススメ出来る機種です。

セッティングもしやすく、効果もとても明確なので、色々な場面で活かせます。

もし可能であれば、CEB-3を2台用意して、片方は高音域のみにうっすらとかけ、もう片方にはディープにかけて、使い分けが可能なセッティングにしたいです。