ts9の上手な使い方。

歪み系のコンパクトエフェクターの話をしていると必ずと言ってもいいくらい名前の出るものがいくつかあります。

それがチューブスクリーマーこと、ts9です!

ts9の上手な使い方。

BOSS OD-1やBD-2、KLONのケンタウルスらと共に必ず名前があがるのが1982年に発売されたIbanez TS9、いわゆるチューブスクリーマーです。

ロングセラー商品ですので、ブランドが変わったり形も変わったりで多彩なモデルがあります。

またトゥルーバイパスなどモディファイしたモデルも多く出てきています。

他社のオーバードライブの音の説明でも「TS系」という言葉が使われるくらいです。

TS9はあまり大きく歪まない中音域にクセがあり、それが苦手で好きではない人も多くいます。

しかし、TS9は定番になった理由があるはずです。

そこがわかればTS9を上手く使えると思います。

アンプのセッティング

クリーンなセッティングのアンプにTS9を繋げて歪ましても「なんだこりゃ」と思うのでは無いでしょうか?

実はTS9は歪ませたアンプに繋げてこそ進化を発揮するオーバードライブなのです。

エフェクター単体で歪みを出す場合はTS9のみで歪ませるよりも他のエフェクターを使用する方が音作りがしやすいです。

TS9の一番の特徴はその中音域ですが、この部分をプッシュする事によって、歪みながらもギターの音を前に出す事が出来るのです。

この特徴を最も効果的に発揮できるのがTS9をブースターとして使った時なのです。

ブースターとして

先ほど書いた通りTS9は中音域を上げる事が特徴です。

こういう役割をするブースターをミッドブースターと呼ぶこともあります。

(ブースターは厳密この機種が○○ブースターと決まっていないことも多いです。

それぞれが得意なブーストする部分を指してカテゴリ分けされています。

つまみの調整でゲインブースターや、クリーンブースタ両方に使えるものなどもあります。)

例えばギターソロで単純に全ての音域を持ち上げてしまった場合、低音も大きくなり、他のパートの音をかき消してしまいます。

しかし、TS9のように中音域をブーストするものだと低音の音量を上げないで、ギターの音量だけが上がったように聴こえます。

その結果他のパートもちゃんと聴こえつつギターの音もブーストされるのです。

特定の音域を調整する役割としてはイコライザーとも似ています。

オーバードライブを使用する違いとしては主には歪み部分にあります。

もし今のキャラクターのまま単純に音量だけを上げたい場合はクリーンブースターやイコライザーを使ってみるのもオススメです。

クリーンブースターはなるべく元のキャラクターを変えずに音量を上げる、音抜けするようにするという事を目指して作られていることが多いです。

「レンジが広がります」や、「ハイ落ちしている部分を補います」というPRしている機種が多いです。

TS9を使っていた事で有名なギタリストと言えばスティービー・レイ・ヴォーンですが、彼はマーシャルのアンプで歪ませソロでTS9を使いブーストしていました。

まさにこの使い方です。

音作りの基本はマーシャルで行います。

最終段階ではアンプのEQを使うこともありますが、マーシャルの基本の音作りが合ってTS9を使って味付けをするというイメージになります。

こういった使い方の場合は、ドライブをゼロにしてヴォリュームだけを上げるセッティングが基本的な使い方です。

もし歪み方が物足りない場合はドライブを上げていき、自分のイメージに合うところで止めて下さい。

真空管のアンプであれば、かなり合うはずです。

あまり歪みを上げすぎてしまうと音抜けが悪くなってしまいます。

ギター単体で弾いていると分かりにくいのですがバンドなどで他の楽器と混ざるとブーストしているつもりが音ヌケが悪いという事が起きますので注意してください。

歪みの上げすぎはハウリングの原因にもなりますので極端なセッティングをするときは注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

またBD-2等には無い、程よいコンプレッション感も重要です。

その他TS9はアンプだけでなくファズや他のディストーション、オーバードライブの歪みの深みを足す場合にも使われます。

その場合はドライブをゼロにしてレベルを上げて使用します。

これの使い方はピックアップの出力が小さいギターでより深く歪ませる時に使うといいでしょう。

主役にもなれますし脇役としてもいい仕事をしますので1台持っておくのも良いでしょう。

マニアックな方もいらっしゃるので、ヴィンテージやマクソンブランドなど発売時期によりサウンドキャラクターも異なるようです。この辺りも自分のギターで試して選びたいところです。

TS9は持っているけど好きになれない場合

このように、TS9は他の歪み(アンプ・エフェクター)と併用するととても素晴らしいオーバードライブとなります。

もしTS9を購入したはいいけど今一つ使い方がわからない、好きになれないという方はアンプを歪ませてTS9を繋げるか、ファズやディストーションの前にTS9を繋げてみて下さい。

間違いなくそれまで思っていたTS9と違う音が聴けるようになると思います。

それでも違うと感じるのであれば、それはTS9が単純に好みではないという事になると思います。

トゥルーバイパスではない

基本的にTS9はトゥルーバイパスでは無くバッファードバイパスなので、繋げるだけで音が変化します。

ブースター等で使用する場合、TS9のバッファードバイパスが今ひとつと感じる場合は、スイッチングシステム等を使用するか、トゥルーバイパスにモデファイされたものを使用してみて下さい。

TS9B(チューブスクリーマー・ベース用)の音作り・セッティング等について。

話は変わりますが、TS9にベース用があるのはご存知ですか?

TS9と言えばギター用のオーバードライブではBOSSのSD-1やOD-3と同じく定番の一つです。

BOSSのオーバードライブに比べ柔らかめでナチュナルな歪みが特徴です。
TS9BはそのTS9をベース用にしたオーバードライブです。

TS9を踏襲したナチュナルな歪み

TS9Bの最大の特徴はTS9の音を踏襲している事です。

例えばBOSSで言えばギター用のSD-1やOD-3とベース用のODB-3は歪んだ音のキャラクターは全く違う別物のオーバードライブです。

それに対してTS9Bの音はTS9を彷彿させる丸い太めの音となっています。

コントロール部分はODB-3等と同じ5系統で

・DRAIVE(歪みの量)

・MIX(エフェクト音と原音のの調整)

・BASS(100Hz以下の低音域を調節)

・TREBLE(2KHz以上の高音域を調節)

・LEVEL(音量)となっています。

TS9Bのサウンド

先ほども書いた通りTS9BはODB-3に比べると丸い太めの音です。

以前からTS9をベースに使用したりしていた人もいたのですが、そういった人にとっては待望の音だと思います。

イコライザーの効きはODB-3に比べるとあまり強く無く、幅広く音づくりが出来るタイプではありません。

もちろんTREBLEを上げる事でエッジをある程度立たせる事も可能ですが、ODB-3に比べるとエッジが立ちません。

しかし、それこそがTS9Bの最大の特徴で、丸く太めで自然な歪みはODB-3では出す事が出来ません。

その辺りの音が好みであればTS9Bはかなりオススメの音だと思います。

逆に飛び道具のような派手な歪みを作る事はあまり出来ません。

しかもトゥルーバイパスでは無いので、繋げた状態だけでも音は変化します。

ですので、基本は常にかけっぱなしで使うオーバードライブだと思います。

TS9Bの音づくり・セッティング

TS9Bは全てのツマミを5にするだけでも使える音が出来ます。
最初はこのセッティングでTS9Bの音に慣れてみましょう。

次にMIXを原音ゼロの状態でイメージする音を作ります。

これは、自分の出したいイメージを作ってからでないと、音は聞こえるけどあまり歪ませた意味がないような音になりやすいからです。

イメージする音が出来たら楽器に埋もれない程度の原音を足していきます。

極端な事を言えば原音ゼロの状態で音が抜けるなら原音を混ぜる必要は無いわけです。

個人的にはTS9Bの音が一番おいしい音はパッシブピックアップのベースを使用し原音ゼロでうまくセッティングできた状態だと思います。

アクティブピックアップのベースはやや向いていないようです。

総論

 

 

 

 

 

 

ハイファイな音ではないけれど、変に派手では無いTS9Bの音は、こういった音が好みであれば他に変えられない良さを持っていると思います。

個人的にはこれをジャズベに繋いでかけっぱなしにしてイギーポップや初期のブラックサバスのようなストーナー系のバンドやローファイ系の音楽で使いたいと思います。

また、意外にモータウン系やスラップを使わない昔のファンク系でも合うと思います。

他にもコンプレッサー代わりにアンプの補正用として使用してもいいと思います。

逆に派手に歪ませたい場合や、スラップをバシバシ決めたい人はTS9Bは使わず他のベース用オーバードライブを使用した方がいいかと思います。

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