今回はXOTIC社より発売されています、RC BOOSTER V-2についてご紹介します。
RC BOOSTER v2の評価レビュー。セッティング・使い方やバッファについて。
RC BOOSTERは音量調節、イコライジングなどが原音に忠実にできるため、プロミュージシャンにも高く評価されています。
このエフェクトペダルは、アメリカのジャズ・フュージョンギタリスト「スコット・ヘンダーソン」の希望により、従来のRC BOOSTERのゲインを2段階で調整可能にモディファイしたものになります。
RC BOOSTERの意味は
「Real Clean」 Booster
音に色をつけないでそのままきれいにブーストしますという意味です。
ちなみに、RC BOOSERは何回かマイナーチェンジされています。
初代はLEDの位置がフットスイッチの上、色は赤です。
2代目は、RC BOOSTERを気に入ったスコット・ヘンダーソンの希望により、高域の抜けの強化、低域のブーストのモディファイがされました。
LEDの位置が筐体上部に移動され、色が青に変更となります。
1000台限定でスコット・ヘンダーソンモデルとして筐体にサイン入りで発売されましたが、大人気モデルとなり即完売となりました。
XOTIC社は、このモディファイを通常のRC BOOSTERに採用して発売することとしました。
スコット・ヘンダーソンがなぜRC BOOSTERをお気に入りかという理由は、何も付け足さないでそのままをブーストするという点です。
いわゆるクリーンブースターと言われるエフェクターです。オンにした場合、アンプからの出力も上がるため、音質も変わるわけですがそれを最小限にとどめます。
スコット・ヘンダーソンはRC BOOSTER登場以前には、TS-9をブースターとして使用していたのですが、チューブスクリーマーには中域が持ち上がってしまうという欠点がありました。
そのため、直後に持ち上がったミッドレンジを下げるためにVOO DOO-1を繋いで下げていました。
そんなところにRC BOOSTERが発売されましたのでお気に入りとなったのです。
スコット・ヘンダーソンはゲインの幅に少しだけ不満がありましたので、(ギター側のボリュームを少しだけ絞ることでクリーンになってほしい)
XOTIC社のエンジニアと協議を重ね、この度のVERSION-2が発売となります。
RC BOOSTER V-2スコット・ヘンダーソンモデル3000台限定として発売され、以前のモデルはパーツの在庫が無くなり次第、V-2と交代となるそうです。
V-2になり筐体が、きれいな鏡面仕上げとなり、たいへん美しくなりました。
(シルバーのモデルですとGain2のノブが青く光るのがまた美しいです)
ACアダプタージャックの位置もアウトプット下から筐体上部に移動され、18V対応になりました。
よりヘッドルームの広いサウンドが得られるようになっています。
操作方法
ツマミが、5つとなり左上から
Gain 1, Volume Treble Bass 真ん中にGain 2のミニツマミがあります。
フットスイッチはひとつ増えて2つとなり、右側がバイバススイッチでオンでGain 1のサウンドとなります。
左側がGain2を付け足すスイッチでGain1+Gain2のサウンドとなります。
LEDがフットスイッチの上にありGain1で青、Gain1+2でオレンジに光ります。(たいへんきれいです)
セッティング
クランチ気味にプッシュしたワンボリュームギターアンプに使う場合、従来のモデルですと(シングルコイルの場合)、
Volume Full Gain13時 Treble 少しアップ Bass 少しカット
というセッティングでギター側のVolumeを5まで落とさないとクリーンサウンドが得られませんでした。
V-2ではGain1のみにしてギター側のボリューム7でクリーンサウンドが得られるようになっています。
イコライザーの効きが良いためどの音域をブーストするかを様々なパターンで表現でき、オーバードライブ的な使い方もできます。サウンドの切り替えがアンプで調整するよりも足元でできるのは便利です。
原音に少しだけブーストさせただけの使用がハリがでてきて良い感じになります。TrebleとBassをコントロールすることによりプリアンプとして利用すれば余分なHighやLowをカットしたり、あるいはブーストしたりすることも可能です。これ1台あれば幅広いサウンドをカバーすることができます。
サウンド
スコット・ヘンダーソンが言うように、これはブルージーなクランチサウンドを得るためのエフェクターです。
2つのゲインセッティングがフットスイッチで切り替え可能です。右のスイッチを押すとゲイン1が作動、さらに左のスイッチを押すとゲイン2がプラスになります。常時ONにしておいてリードやバッキング、そしてゲイン2でソロプレイのブーストなど、様々な音楽シーンに使うことができます。
バッファとしても優秀です。通常であれば例え短い1メートルのギターシールドでも、音が劣化してしまいますが、RC BOOSTER V2はそれもありません。
Gain1のツマミを下げオンにするとギターのきらめきが戻ってきます。
もっとクランチなサウンドがほしければ、Gain1+2をオンにするとよいでしょう。
音色のコントロールの幅が広くコントロールできるようになりました。
もちろん、バイバス音は安心のトゥルーバイパスになっています。
難点はGain2のツマミの扱いづらさとフットスイッチの間隔の狭さ
アンプをクリーンに設定すれば、クリーンはRC BOOSTER V2をオフ、クランチはGain1のみON、ソロはGain2もONにするといったセッティングも可能で、これひとつで全てが賄えるジャンルも少なくないです。
例えば、マディ・ウォーターズのようなブルースからローリングストーンズのようなブルージーなロック、ドクターフィールグッドのようなパブロック辺りは問題無く使えると思います。
しかし、RC BOOSTER V2は音の不満はあまり聞きませんが、操作感についての不満は多く聞かれます。
それは「Gain2のツマミが扱いづらい」という声です。
これはどういう事でしょうか?RC BOOSTER V2のコントロール部分を見てみましょう
コントロール部分の真ん中にある、青く光っているところがGain2のツマミです。
他のツマミがやや大きめなため、Gain2をいじると他のツマミが動いてしまう場合や、演奏中にちょっと変更したい場合、操作する事が大変難しいです。
おそらくRC BOOSTER V2の前のモデルRC BOOSTERと同じ筐体や部品を使用する関係でこのような仕様になったと思われます。
ただ、購入後他のツマミを小さなものに変更すれば、かなり操作性は向上します。
また、エフェクタ-を思いっきり踏みつける場合、フットスイッチの間隔の狭さから片方しか両方同時に踏まれ、Gain2で音量あげるはずがクリーンになったりしてしまいます。
これは、この狭さに慣れるまで頑張るのもいいですが、フットスイッチの真ん中にスイッチと同じ高さの敷居をつけるのもひとつの方法です。
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