ギターの早弾きは指弾きでも出来るのでしょうか?
やり方などについて考えてみました。
ギターの指弾きで早弾きできる?
速弾きについて
指弾きで速弾きをすると、トレモロという点ではピックに負けますが、
訓練次第ではピックに迫ることができます。
ただ、指や爪に負担にかかるので、怪我のないように練習してください。
爪を傷めないために付け爪をして、さらにトップコートやグラスネイルを塗るといいかもしれません。
爪に塗るギターピック というものでこれを塗った爪は頑丈なのもとなるためギターが弾きやすくなります。マニキュアやジェルネイルとは違う特殊な素材でできており、スプレー後、10秒ほどで固まる、爪に優しい補強材です。
指弾きのメリットは音が丸く繊細な音作りができることや特定の弦による和音など、演奏の幅も広がることにあります。
4つのパターンがあります。
人差し指
人差し指に親指を添えて、人差し指の爪をピックのように使い弦をはじきます。
トレモロ奏法も可能になります。
爪は浅く斜めに当てます。
当てる角度で、音色が変化しますので試してみてください。
人差し指と中指(ピカード)
人差し指と中指を交互に動かして演奏します。
いわゆるベースの指弾きのツーフィンガースタイルです。
フラメンコギターでは定番の奏法となります。
・ブリッジに近いところを弾く
・弦と指を直角に当てる
・親指を固定する(6弦はボディに置いたまま)
という部分に気を付けて練習します。
世界的に有名なフラメンコのギタリストは4小節ほどをBPM200で4連符で引いています。
短時間のピカード奏法は意外に簡単です。
こちらの練習は長時間のフレーズをゆっくりから早く弾く練習以外に弾きたいスピードで引ける限界の長さを1音ずつ増やしていくという練習方法も効果的です。
親指と人差し指
親指でダウン、人差し指でアップとそろばんの玉をはじくようにピッキングします。
フラットピッキングでは難しい弦飛びフレーズが簡単になります。
1弦12フレットと2弦12フレットを左手人指し指のバレーで押さえます。
- 1弦15フレット薬指 アップピッキング
- 2弦12フレット ダウン
- 1弦14フレット中指 アップ
- 2弦12フレット ダウン
- 1弦12フレット アップ
- 2弦12フレット ダウン
という、6連パターンは定番です。
他にも、ペンタトニックフレーズを5連符でそろばんの玉をはじくように、ピッキングしていくという方法があります。
親指と人差し指と中指
中指が加わることにより、より高速なピッキングが可能となります。
スリーフィンガースタイルですので、慣れるまで練習しましょう。
親指と人差し指と中指と薬指
フォーフィンガーになるとさらに速いプレイが可能となりますが、指が混雑するのでこれも慣れるまで練習が必要になります。
1本の弦を、薬指、中指、人差し指の順で弾くと、3連のパターンとなり、
トレモロ奏法が可能となります。
親指のみを使う
親指だけでアップとダウンストロークをします。
ウェスモンゴメリーが行っていたのはこれです。
ジャズの弦飛びフレーズが多い高速なフレーズを親指だけで弾いていたのでかなり練習したのではないでしょうか。
ウェスの親指にはタコが出来ていて、独特の音色を出していたそうです。
ウェスを目標に練習してみてください。
スリーフィンガー,フォーフィンガーの場合には親指にサムピックをはめて行う場合があります。
(まれにサムピックで親指だけでアップダウンする方もいますが)
サムピックは、慣れるまで時間がかかるのでじっくりと練習してください。
慣れますと、ピック弾きに負けないような高速プレイが可能となり、プレイの幅に広がりが出ますので、挑戦してみてください。
指弾き練習で気を付けること
・指弾きは表現力ができる反面強弱のコントロールの練習が必要です。
まずは安定した音量で弾けることから始め、次にどの指でもアクセントを入れられる練習をします。
演奏中に強拍を弾く指が変わることもありますので、これができるようになると一気に表現がしやすくなります。
・基本補フォームを崩さない
色々なスタイルがありますがそれぞれの基本のフォームを守りましょう。
フォームが崩れても音はなりますが、早弾きをする場合は間違ったフォームで練習してしまうと音が悪くなるほかにもケガにもつながりますので鏡を見たり動画を撮ったりして見本となるアーティストやプレイヤーと比較しながら確認することをオススメします。
最近はYouTubeでも解説動画がたくさんありますので、実際に上手い人のフォームからまねをするのは上達にもつながります。
指弾きギタリストの名手
最後に指弾きで有名なギタリストをご紹介します。
ジェフ・ベック
おそらく指弾きギタリストとして筆頭にあがるのはジェフ・ベックでしょう。
There And Back ぐらいまではまだトピックで弾いていましたが、その後は指で弾くスタイルになりました。ジャズやカントリーでは指弾きの人も多いですが、ロックでは少ないと思います。
彼は後述するウィルコ・ジョンソンとは違い、最初はピックでギターを弾いていました。
いつ頃ピック弾きから指弾きに移行したのか諸説あるのですが、だいたい80年頃から徐々に指弾きになっていったようです。
ジェフ・ベックは指弾きとは思えない素早いパッセージと指弾きならではの豊かなトーンが特徴です。同じ指でも腹や爪の横など、使い分けをしているようです。これで歪み具合や音の立ち上がり、ピッキングノイズまでもコントロールしています。
ウィルコ・ジョンソン
1975年Dr.Feelgoodのギタリストしてデビューしその後ソロ活動を行っているパブロックの始祖の一人とも言えるギタリストです。
彼は親指と人差し指で素早いピッキングを行い、時にはギターを胸の位置まで上げ客席にマシンガンを打っているようにギターを弾くパフォーマンスを行います。
ギターマガジンによるウィルコ・ジョンソンの演奏方法を彼自身が説明する動画がアップされてしますが、こちらが大変わかりやすいものになっています。
指弾きのメリット
指弾きのメリットはなんといってもピッキングの表情がピックとは比べ物にならないくらい付く事です。直接弦に触れるため音が柔らかくなり、ニュアンスが出しやすくなります。指や爪で弾くことにより音色に変化も付けやすいです。デメリットとしてはピック弾きに比べるとツブの揃った輪郭のある音が出しにくく、速いフレーズを弾くのは難しいと言えます。
もしピック弾きで行き詰った場合は是非指弾きでのプレイも試してみて下さい。
ギターの指弾きとピック弾きのそれぞれの特徴とは?
アコースティックギターから入った方は、フィンガー・ピッキングで弾くことに慣れていますでしょうが、エレキギターから入った方はピックを使って練習しますので、固定観念でそういうものだと決めていませんか?
しかし、エレキギターもフィンガー・ピッキングをすることで、演奏に幅が出ます。
指弾きの特徴
指や爪で弾きますので、サウンドに幅がでます。
指では柔らかい音、爪では固い音となります。
また、弦を親指、人差し指、中指、薬指で担当弦を同時に弾くことができるため、ストロークには出せないピアノのような響きになります。
単音弾きでも、指の腹を使うことでやさしい音となり、表現力が上がります。
スライド・ギターを演奏する際に、スライド・バーとピックでは金属的な冷たい音になりがちですが、右手をフィンガー・ピッキングにすることによって暖かい音にすることができます。
固い音にしたかったなら、爪で弾けば固い音になります。
また、ストロークの際に指をバラバラにタイムラグをつければ、フラメンコギターのような効果をつけることが出来ます。
また、演奏面では、弦飛びフレーズが容易になります。
ピッキングも上達すれば可能ですが、ピッキングでは1弦と3弦と飛ぶような場合にはかなりミュートやピッキングの練習をしなければなりません。
スリーフィンガー、フォーフィンガーのアルペジオは指弾きでないとできません。
ピック弾きの特徴
ピック弾きのサウンドの特徴はアタック音です。
ハードなヘヴィメタルの演奏をするには、やはりピック弾きです。
パワーコードでリズムを刻むには、やはり指弾きではきびしいです。
フォービートのコードを刻むのも、ちょっと指弾きではきびしいです。
アタックのあるロックなどの場合は、ピック弾きになります。
イングヴェイ・マルムスティーンのような速弾きは指弾きでは無理です。
アンプで増幅させて、より多くの人に聞いてもらうためには、固い音の方の抜けがいいためピックを使います。
また、指や爪を痛めることがないため、ハードな演奏にも耐えられます。
ギターで16ビートのカッティングをするにはピック弾きになります。
まとめ
指弾き、ピック弾きには、それぞれいいところがあるのでうまく使い分けましょう。
結果が良ければ(いい演奏ができれば)OKなので、両方を使いわけると良いです。
早引きというと力が入りがちですか、余計な力が入ってはできません。指弾きでもある程度の速さまで弾くことはできますが、テンポの速い曲などはどうしてもピックがないと厳しいと思います。
バラードなどでは、指弾きフレーズでアタックを押さえて、ハードな曲ではピックを使ってアタックを出すなど、場面に応じた使い分けができると良い演奏になると思います。