ドイツで製作されているMooerのMicro Preampシリーズは、筐体が小さく非常にリーズナブルで2020年1月現在で1万円未満です。
低価格ながら、モデリングの元となったアンプの特徴をしっかり引き継いでいる有能なプリアンプです。
基本的にはハイエンドで、モダン・ハイ・ゲイン・アンプの有名なものをシミュレートしていますが、往年の名機と言われるものも取り上げていますので、予算的に厳しいが、様々なアンプを試してみたい、という方の期待に応えてくれそうです。
小さな筐体にもかかわらず、2つのチャンネル、3バンドEQ、キャビネット・シミュレーターなどの機能が搭載されており、プリアンプとしては十分でしょう。
見た目がアンプ・ヘッドのミニュチュア版のようで、キュートなルックスをしています。
Mooer Micro Preampの共通仕様や種類について書いていきます。
Mooer Micro Preampのレビューや使い方・元ネタについて。
Micro Preampシリーズの特徴
・マイクロ・サイズで軽い
筐体の大きさは、93.5mm(D)×42mm(W)×52mm(H)で、重さは160gと、非常に小さくて軽く出来ています。
特にエフェクターを多く使用している方にとっては、ほとんどスペースを取らず、また重さもないので非常に使いやすいはずです。
また、電池は使用出来ません。電源は用意する必要があります。
・音量・ゲインだけでなく、高音域・中音域・低音域のイコライザーを搭載
上記のとおり、小さな筐体ですが、アンプに必要な3バンドEQはきちんと装備されており、クオリティも高めです。
通常のアンプを使っている感覚でサウンドメイクを行えます。
・2チャンネル仕様となっていて、それぞれのチャンネルを切り替える事が可能
独立した2つのチャンネルが選択可能で、パラメーターもそれぞれでセッティングする事が可能です。
当然ですが、一方のチャンネルのセッティングを操作しても、もう一方のチャンネルに影響はありません。
フットスイッチは、通常のアクティヴ/バイパスだけでなく、2つのチャンネルの切替えも行う事が出来ます。
LEDのカラー表示により、現在のチャンネルを確認する事が出来るようになっています。
一方をバッキング、もう一方をリードとして切り替える、といった使い方が最もオーソドックスです。
・アクティヴ/パッシヴ切替えも可能
アンプのリターンに接続して、純然たるプリアンプとして使用可能ですが、Micro Preampを通常のストンプ・エフェクターと考えて使用することも可能です。
有名アンプの音圧・音質が忠実に再現されており、低コストでその音を使用できるのはとても魅力的です。
また、通常のエフェクター感覚でコントロール・ノブを操作できるので、初心者の方でも操作しやすいと思います。
エフェクト・リターンやパワーアンプのインプットに接続して、直接アンプを駆動させることもできます。
・スピーカー・シミュレータ内蔵
アンプに接続して実際に発音させるだけでなく、ライン・レコーディングや、PA、モニターなどにも直接出力させる事が出来ます。
“Inteligent Amplifier Modeling”という新鋭の技術が使われており、本物の真空管アンプが持つサウンドを再現することに成功しています。
どれも本物のアンプ機種に近いサウンドですので、色々なアンプをコレクションしたい方にとってもお勧めできます。
Micro Preampシリーズの使い方
ここまで見てきたように、Micro Preampは、サウンドだけでなく、様々な場面での使い方を想定して作られている印象を受けました。
自分のエフェクト・ボードに組み込んで、ブースターや歪み系として使うのもアリですが、アンプのリターンを通して文字通りプリアンプとして使用するのが最も活かせる気がします。
そのMicro Preampの持つ個性を最大限発揮出来ると思います。
例えば、Roland JC-120のリターンに接続してサウンドメイクを行えば、どこでもそのサウンドを出力する事が可能です。
まさに低価格・小型で、往年の名機と呼ばれるアンプを所有していることになります。
現在発売されているMicro Preampとコピー元ネタ表
以下は現在(2020年1月)発売されているMicro Preampの商品名と元ネタと思われるギター・アンプの一覧表です。
機種名 | コピー元 |
Micro Preamp 001 Gas Station | Diezel Hagen |
Micro Preamp oo2 UK Gold 900 | Marshall JTM900 |
Micro Preamp 003 Power-Zone | KOCH PowerTonell |
Micro Preamp 004 Day Tripper | Vox AC30 |
Micro Preamp 005 Brown Sound 3 | EVH 5150 |
Micro Preamp 006 US Classic Deluxe | Fender Blues Deluxe |
Micro Preamp 007 Regal Tone | Tone King Falcon |
Micro Preamp 008 Cali-MK 3 | Mesa Boogie MK Ⅲ |
Micro Preamp 009 Black Night | ENGL Blackmore |
Micro Preamp 010 Two Stone | Two-Rock Coral |
Micro Preamp 011 Cali-Dual | Mesa Boogie Dual Rectifier |
Micro Preamp 012 US GOLD 100 | FRIEDMAN Be-100 |
Micro Preamp 013 Matchbox | Matchless DC-30 |
Micro Preamp 014 Taxidea Taxus | Suhr Badger |
Micro Preamp 015 Brown Sound | Peavey 5150 |
Micro Preamp 016 PHOENIX | ENGL Fireball |
Micro Preamp 017 CALI MK Ⅳ | Mesa Boogie Mark Ⅳ |
Micro Preamp 018 CUSTOM 100 | Custom Audio Amplification OD 100 |
Micro Preamp 019 UK Gold PLX | Marshall JTM50 Plexi Lead |
Micro Preamp 020 BLUENO | Brueno UnderGround 30 |
最後に
ギタリストとして、「ギターとアンプで、自分の音を出せるアンプが欲しい」という気持ちは誰でもあると思います。
しかしヴィンテージや名機と言われるアンプは高額で、試奏するにも時間が必要です。しかも1つ1つをじっくり試奏するのは難しいでしょう。
それにいざアンプを手に入れても、常に自宅でアンプを鳴らすのも、ご近所を考えれば避けなければいけません。
Mooer Micro Preampは、「名機を手軽で安く、そしてたくさん揃えたい」という方には是非試していただきたいです。
昨今ではソフトウェアでPC上で鳴らせるアンプ・シミュレーターも多く登場しています。
それらと弾き比べてみて、音の違いや、どちらが自分の使い方に合っているか、是非試してみてください。