前回の記事でマーシャルアンプの種類(JCM800)について見ていきました。
今回はJCM900とJCM2000について見ていきましょう!
JCM900
JCM900も非常に多く見られるマーシャルアンプです。
マーシャルの定番的なヘッドアンプです。
JCM900はJCM800シリーズの後継機です。ハードロックやメタルのプレイヤーから要望のあった、より深いひずみを可能にしたハイゲインアンプです。
スタジオに置いてあるアンプはこのJCM900が一番多いかもしれません。
それほど多くのギターリストから広く愛されているこのJCM900。
JCM900の登場後はピーヴィーやメサブギーが参入してきてハイゲインアンプの全盛期を迎えました。
JCM800から比べてどの辺りが変わったのでしょうか。
よりハイゲインに!
JCM800との一番の違いは「よりハイゲイン」になったことでしょうか。
その証拠に「通常のモード」と「ハイゲインモード」をボタン1つで選択出来る様になりました。
フットスイッチを使えばエフェクターの様に足下でモードを切り替える事も出来ます。
フットスイッチはマーシャルの付属の物でもいいし、BOSSとかからも色々と出ています。
ちなみにスタジオでは受付でレンタルを申し出れば貸し出ししてくれるはずですよ。
このモード選択は非常に便利で、
- 通常のモード・・・・ クリーンサウンド
- ハイゲインモード・・ ハードサウンド
このように使い分けられるようになりました。
うまく使いこなせればエフェクターが無くてもリードサウンドを繰り出す事も可能です。
非常に汎用性に富んだアンプと言えるでしょう。
モデルの違い
JCM900はいくつかのバリエーションがあります。
発売当時は大きく分けて2種類あり、ひとつは上記に書かれたチャンネル切り替えがあるモデル(High Gain Dual Reverb)で、もうひとつはマスターボリュームのみ切り替えが出来るもの(High Gain Master Volume)です。
High Gain Master Volumeの方がより深く歪ませる事が可能ですが、リズムパートとリードパートでの切り替えには向いていません。
また「JCM900 SL-X」と書かれたものもあり、こちらはHigh Gain Master Volumeのプリアンプ段にプリ管を増やしさらにハイゲインな音が出るようになっています。
さらにJCM900は製造時期(1993年から1998年製のものとそれ以外)によって使われている真空管が違うようで、同じJCM900という名前でも音は変わるようです。
JCM2000 DSL100
最後にこちらのJCM2000ですが、JCM900のさらに発展したアンプになります。マーシャルの定番的なヘッドアンプです。
スタジオでは多く置いてあるアンプですので、音作りを考えてみましょう。
JCM900のハイゲインサウンドをさらに充実したものにするべく、更にボタンが増えました。
コントロールはトレブル、ミドル、ベースの3バンドイコライザーの他にDEEP、TONEの2つのスイッチがあります。DEEPは低音域のブースト用で迫力のある超低音域サウンドが楽しめます。TONEは中低音域をカットするスイッチでヘヴィーメタルに最適なドンシャリサウンドがプレイできます。
望むサウンドは、バンドの音に埋もれない抜けの良いサウンドを狙っていきます。
マーシャル・アンプの音の傾向はドンシャリ傾向の強いサウンドとなります。
ですので、トレブルを上げすぎるとキンキンと耳に痛いサウンドになるので上げすぎないほうが良いです。
ベースも上げすぎるとモコモコとした輪郭のないサウンドになります。
JCM900よりもさらにハイゲインサウンドを出す事も可能ですし、ヘビーメタルちっくなサウンドも簡単に作る事が出来ます。
具体的に言うと
- 通常のモードとハイゲインモードのそれぞれに更に、ハイゲインかクリーンかを選択出来るボタンが増えた。
- TONEボタンが増えた。
- DEEPボタンが増えた。
これにより更に様々なサウンドを出す事が可能になりました。
JCM900は2つのモードだけだったのが、JCM2000では4つのモードのうちから2つのモードを選択する、というイメージです。
TONEボタンとDEEPボタンについてはイコライザーをより効かせるかどうか、という感じのスイッチですね。
こちらの用途はお好みですが、個人的にはあまり使わないかもしれません。
チャンネルはCLASSIC GAINとULTRA GAINの2系統あり、それぞれ2種類のモードが用意されています。
クリーンなサウンドからクランチ、モダンなディストーションサウンドまで幅広いニーズに対応します。
いずれもトランジスタでは表現できない暖かいサウンドが特徴です。
プレゼンスは高音の倍音を加えて音の存在感を出すポイントですので、少しだけ足すと良いです。
残るはミドルつまみですが、これがアンプの音作りをする際には大きな決め手になります。
結果、最初はトレブルとベースは控えめにセッティングしておいて、ミドルで音が抜けてくるポイントを探すと良いと思います。
そこで、もう少しトレブルがほしいと思ったらトレブルを上げて、ベースが足りないと思ったらベースを上げるといった微調整をしていくと良いです、
最後にプレゼンスで倍音を足して行けば良い音作りができると思います。
適宜に応じて、ディープスイッチやトーンスイッチを押してください。
また各チャンネルにはスプリングリバーブが搭載されております。デジタルでは表現できないアナログのリバーブを支持しているミュージシャンも多く存在します。これもフットスイッチによりON、OFFが可能です。
JCM2000 TSL100
同じJCM2000でも、ここで説明されたものよりツマミの数が大きいものを見た事がある人も多いと思います。
これはTSL100というモデルで、独立3チャンネル仕様のモデルです。
独立3チャンネル仕様なので、音作りがかなり容易でクリーン、リズム、リードといった設定にしたり、リズム、リードに別の音を追加したりとかなり汎用性が高いモデルです。
これは当時メサブギーから独立3チャンネルのアンプが発売されたので、対抗して作られたものだと思います。
汎用性が高い反面、初心者にはどうやって使えばいいか混乱してしまうモデルです。
もし、使い方がわからない場合、迷った場合はスタジオやライブハウスの店員に聞きましょう。
というわけで、それぞれのマーシャルの違いがわかった所で、次回はいよいよ音作りのコツについて触れて行きましょう!!
関連記事