前回の記事でJCM900とJCM2000について見て来ました。
今回はいよいよ音作りのコツ、セッティング等について見ていきましょう!!
セッティングについて
まず、マーシャルのセッティングは意外と難しいです。
アンプのセッティングはプロでもなかなか難しく悩むところです。
基本的にクリーンと歪みの2パターンを準備しておきます。バッキング用とギターソロ用として分けるのもいいでしょう。曲の途中で切り替えることができるフットスイッチは必需品といえます。ソロでは歪みを増やすために、オーバードライブ系のエフェクターを使用してもいいと思います。
アンプの温まり具合や真空管の状態次第で音が変わります。
奥が深いといいますか、なかなか思った通りのサウンドにはならないでしょう。
練習スタジオに置いてあるマーシャルやフェンダー・アンプは状態があまり良いものがありません。
真空管のメンテナンスを怠っているものが多い傾向が見られ、リハーサルスタジオで悩んだ方も多いと思います。
むかし、ジミ・ヘンドリックスがマーシャルを訪れたときには、マーシャルのシグネチャーアンプを作ってもらうのではなく、マーシャルの完全なメンテナンスのバックアップを希望したそうです。
それくらいに真空管アンプは、デリケートで細かい調整が必要になります。
それを前提にしっかりと一歩一歩進んで行きましょう!
事前準備
まずはシールドをINPUTに挿入して下さい。
JCM900、JCM2000でフットスイッチも使用する場合はFOOT SWITCHに挿入して下さい。
その後に電源を入れるのですが、まずは赤いスイッチ(POWER)を押してしばらくたってから隣のSTANDBYを押して下さい。
すぐに両方押しても音は出るのですが、故障の原因になったりします。
音作りのコツ TREBLEについて
まず第一に言える事は、マーシャルはハイがキツい特徴があります。
歪ませすぎには注意しなければいけません。特にライブなどではプレイヤーとお客さんではスピーカーの位置が異なり、プレイヤーが心地よくてもお客さんは不快に感じることも考えられます。
これを知らずにジャズコーラス等と同じ様にTREBLEやPRESENSEを上げてしまうと痛い目をみてしまいます。
「お前のギターうるさくない!?」
と言われてしまったり、自分で耳に痛いサウンドになってしまっていると感じたら、まずはTREBLEを上げ過ぎていないかを注意しましょう。
ゲイン、トーンなどはまずフラットサウンド(目盛が1-10までなら5)からスタートして、バンドサウンドに見合ったトーンを設定していきます。つまり増やしたり減らしたりできるという意味でフラットから始めます。
ストラトギターの場合はTREBLEは0でいいと思います。
勿論PRESENSEも0で!
ちなみに言っておくとPRESENSEはTREBLE(高音域)よりも更に上の超高音域を調整するノブです。
使う時は限定されると言えるでしょう。
ネットや本等ではよく「全てのツマミを12時にしてから調整していく」みたいに書かれていますが、12時から微調整するみたいな感覚は危険です。
レスポールや他の種類のギターに関しても、TREBLEは注意して上げて行く必要があります。
JCM800などトレブリーに感じる機種もありますが、ギターサウンドの中心はミドル域にありますので、ボーカルが聞こえにくいとか、ギターがうるさいなど感じたらミドルを下げていきます。トレブルは抑え気味になりますが、きらびやかさを足したい場合はプレゼンスを上げます。ただし、これも上げすぎはキツイサウンドになってしまいますので注意が必要です。
とは言え、そのギターの特性や、音楽によって求める音も違うので全てがそうとは言えませんが、基準をある程度知っておくべきです。
「一般的な常識」とか「自分の中での常識」を盲目的に信じるのではなく、自分の耳を信じて音作りは行って行きましょう。
朝一マーシャルはより注意しよう
リハーサルスタジオの場合特にTREBLEに気を付けなくてはいけない場合があります。
それは、リハーサルスタジオが開店した直後にリハーサルをする場合です。
一晩中アンプの電源は入っていないし、部屋の温度は人がいないので下がるので、中の真空管は完全に冷えた状態になっているのです。
こういった場合、マーシャルはよりトレブリーなカリカリな音になり、歪みにくくなる傾向があります。
この状態を「朝一(あさいち)マーシャル」と個人的に呼んでいます。
特に冬の季節はこの傾向が顕著です。
機種で言うとJCM800やJCM900はそうなりやすく、それ以降のマーシャルはそういった傾向が薄まる感じがします。
朝一番以外の場合、例えばその日、自分達の前にリハを行っていたバンドが、全てマーシャルを使っていない場合はどうなるかと疑問を持たれると思います。
そのケースの場合だと、当然スタジオの部屋の温度は人がいるので保たれていますので「朝一マーシャル」の現象は起きにくくなりますので、あまり考慮する必要はないと思います。
オープンしたての、朝一番にスタジオでマーシャルを使う際には、いつも以上に高音域の音作りを気を付けて下さい。
アンプ+歪みエフェクター
近年はエフェクターブームですが、アンプのみで音を作るのではなくアンプの歪みにエフェクターの歪みを加えることで厚みのあるサウンドを作ることが出来ます。
アンプの歪みは軽く歪むクランチ状態にしておいて、それにエフェクターの歪みを足します。
クランチ状態ではギターのボリュームを絞ることにより、クリーンサウンドを出すことが可能となります。
RCブースターのような上質なクリーンブースターがあるとたいへん音作りに幅が出ます。
アンプを完全なクリーン状態に歪みエフェクターで歪みを作るとあまり上手くいかないと思います。
関連記事