今回はマーシャルアンプの音作りや使い方について徹底的にみていきましょう。
マーシャルと言えばロックの定番アンプ。ロックサウンドの代名詞ともなっています。
どうしてマーシャルは世界中のギターリストを魅了してやまないのでしょうか?
マーシャルアンプの音の特徴
一言で言うと、マーシャルアンプは非常に「悪い感じ」の音がします。
いかにもロックサウンド!と言った感じのイガイガしたあの「ギュイーーーン!!」っていう感じの音ですね。
皆さんがよく聞くロックギターのサウンドも、マーシャルを歪ませている音だったという事も非常に多いと思います。
しかし先ほど「悪い感じ」の音と言いましたが、とても「温かい音」でもあるのが特徴です。
もともとは大きな音が出せるアンプが無かったので、フェンダーBassmanを基につくられたマーシャルですが、よく言われるのが、マーシャルは大きな音で鳴らしてもうるさくない・・・ということです。バンドの中で他の楽器に埋もれてしまうことなく馴染むといった感じです。
中音域の豊かさと、高音域のきらびやかさがあり、温かみのあるディストーションサウンドが特徴です。トランジスタアンプには出せない味を持っています。
マーシャルには真空管が搭載されているのですが、トランジスタ搭載のジャズコーラス等と比べると非常に太く温かな音が特徴的です。
マーシャルアンプの種類
音作りの話の前にマーシャルアンプの種類についても触れて行きましょう。
同じマーシャルでも色々な種類があります。
同じモデルでも50w仕様と100w仕様のものがあります。50wだからといって、100wの半分しか出せない・・・といったわけではありません。2/3程度の音量は出せます。50wの愛好者が多いのは歪み始めるポイントの早さと、音のタイトさです。50wにしか出せないサウンドがあるのです。普通ディストーションサウンドは歪みが増すにつれて、音の抜けが悪くなってきます。しかしマーシャルの場合、太いサウンドは変わらず抜けの良い音が特徴です。
まずその辺りを理解しておかないと、よくわからない事になりますからね!
現在多く出回っているのは主に・・
- JCM800
- JCM900
- JCM2000
である事が多いでしょう。
それではそれぞれの特徴について見ていきましょう!
JCM800
まずはこちらのJCM800。
JCM800はマーシャルで最も売れたヒット作です。ハードロックブームにより一世風靡しました。
非常にポピュラーな種類で、古くから多くのギターリストを魅了して来ました。
サウンドはこの時代を代表するものと言えます。
こちらのアンプの特徴は非常にシンプルである事がまずあげられます。
ツマミも余計な物は付いておらず、洗練された印象です。
ゲインはアンプ単体ではそんなに多くは上がりません。
普通のロックをやる分には十分かもしれませんが、ヘビーなサウンドを求める方には後に紹介するJCM900やJCM2000の方が向いているでしょう。
そして、JCM900以降は搭載されている「チャンネル」がありません。
チャンネルとは「通常のモード」と「ハイゲインモード」を選べるチャンネルの事です。
ハイゲインモードにするとその名の通り、よりハードなロック向けのサウンドになるわけです。
現在のJCM900やJCM2000に慣れている方からすれば多少使いづらい部分はあるかもしれませんが、JCM800にはJCM800にしか出せない良さがあります。
トレブリーなサウンドは非常に抜けが良く、とてもイキイキとした印象でバンドサウンドの中で自己主張してくれるでしょう。
JCM800の良さ
JCM800の良さをさらに言うならば、JCM800はそれ以降のJCM900やJCM2000に比べて「音が前に押し出される」感が強いです。
例えばJC-120の場合であればアンプの前で音が霧散して広がる感じですが、JCM800は音の塊がドスっと前へ押し出してくるような感じなのです。
プレゼンスがゼロでもはっきり前に出てくる感じはそれ以降のマーシャルではあまり感じません。
クランチ主体でプレイするギタリストにはおすすめのアンプです。
HighとLowどちらへ差せばいいのか
ギターのシールドを差す場所は「High」「Low」の2つがあります。
これはアンプに来るまでの音の出力の大きさで選べばいいのですが、ぶっちゃけ「High」「Low」で音が変わるだけなので、出る音が自分の思い通りであればどちらへ差しても問題ありません、むしろ最初は両方試してみて下さい。
一部で「Highはパッシブピックアップ用、Lowはアクティブピックアップ用」と言われる場合もあります。
しかし、JCM800が発売された時期は1981年です。
アクティブピックアップで有名なEMG、その前身の会社が出来たのが1976年ですが、有名なアーティストにEMGのピックアップが使用され始めたのが1982、3年頃なのです。
ですので、ギターのアクティブピックアップがメジャーになる前の商品なので、アクティブとパッシブを使い分けるものでは無く、単純にアンプに入力される音の出力の大きさでの使い分けと考える方が適切のように感じます。
JCM800の注意点
先に書いた通りあまり歪みませんので、歪みは足す場合はオーバードライブ等で補う事になります。
その場合JCM800はトレブリーなサウンドになりやすいので、使うオーバードライブの設定に気を付けて下さい。
特にBOSS BD-2(ブルースドライバ-)を繋げた場合、耳に痛いくらいトレブリーになる事もあります。
また、歪まないとは言ってもやはりフルパワーで鳴らすと歪みますが、おそらく日本のライブハウスではその音量はほぼ不可能なので、アンプでの歪みにこだわるのであればJCM800では無くJCM900やJCM2000を選択した方がいいと思います。
というわけで、次はJCM900とJCM2000について見ていきましょう!
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