Behringerのアンプシミュレーター V-Amp 3の評価。

Behrinder V-Amp 3は、V-Amp 2の後継機種として発売されました。

これはアンプ・シミュレーターになる訳ですが、DAWの発展と一般化によって、現在では安価で質の高いアンプ・シミュレーターが各メーカーから様々な機種が発売されています。

そもそも、アンプ・シミュレーターとは、ギターをライン録音する際に、アンプを通したかのようなリアルなサウンドを得ることを目的としたものです。

このV-Amp 3は卓上型で、様々な面でV-Amp 2をアップグレードしたものになっています。

外見上は丸みを帯びて、ボディの色が赤になったことにより、ますますLine6 Podに近いた印象です。

果たして機能面はどうでしょうか。

Behringerのアンプシミュレーター V-Amp 3の評価。

アンプ・シミュレーターには、標準装備として現実のアンプをシミュレートしたパッチやエフェクトがいくつか内蔵されており、ギターと出力先になる機器(ミキサー、レコーダー、オーディオ・インターフェイスなど)の間に接続します。

V-Amp 3も当然にそれらは内蔵されています。種類は一通り揃っています。

アンプやエフェクトの選択と各設定は非常に簡単で、コンパクト・エフェクターの操作に慣れているギタリストなら、同じ感覚で設定を覚えられるでしょう。

肝心の音質、サウンドのクオリティですが、全体的に硬めの印象で中低音域が弱いような気がしますが、自宅練習や宅録のデモ製作には十分なレベルだと思います。

・Behrinder V-Amp 3の各機能

アンプ・シミュレーターの活用方法として、PCを使って宅録に使うユーザーが多いと思います。

V-Amp 3を購入すると、PC用接続ソフトのEnergy XY 2.5と、オーディオ・インターフェイスのUCA-222 USBが付いており、すぐに宅録を始められるようになっているのはありがたいです。

このオーディオ・インターフェイスを通して、PC上で細かく音程を設定する事が出来ます。ライン録音だけでなく、サウンド編集も可能です。

フット・スイッチの付属はなくなりましたので、リアルタイムでは本体のタップ・スイッチを直接操作するしかありません。

アンプ・シミュレーターは全部で32種類が搭載されていますが、正直言って使えるもの、実践に耐えうるものは数種類というところです。

違うアンプへの切替え時の音切れやノイズ、プラスティック製の本体など、ライブで使用するには厳しいと思います。

アンプ・モデルは4つ増えて28種類となっており、キャビネット・シミュレーションが15種類用意されていますので、組み合わせによって480種類の音を作る事が出来ます。

エフェクター は、コンプレッサー、オートワウ、フランジャー、フェイザー、コーラス、ロータリー、エコー、ディレイ、リバーブと一通り用意されています。

もちろん、オート・クロマチック・チューナーもついています。

端子は、ステレオイン・アウト、オプティカルS/PDIF出力が付いています。

見た目が非常にLine6 Podに似ていますが、操作方法もほとんど同じです。

付属の説明書がとても簡素なので、詳しい使い方を調べてみました。

Editモードでは、本体上のツマミでアクセスできないA~Eのパラメーターをコントロールします。

Configration Modeは、出力モードの変更が可能で、L1ではトリム3バンド・イコライザーのコントロールも可能になっています。

また、Saveは125プリセット上どこへでも上書き可能ですが、2秒では足りませんので4秒長押ししてください。

歪みの操作に関してですが、Editモードに入ってDriveを1に変更すると太くなり、さらにもう一段上のレベルのゲインを得られます。

サウンド

Behringerは、低価格で様々な電子音楽機器やエフェクターなどを販売しているメーカーです。

「性能は倍に、価格は半分に」を社是としているだけあって、製品はどれも低価格でお金のないミュージシャンにとっては大変助かります。

しかし、Behringerに限らず、音響機器というものの質は、価格に比例するものです。

このV-Amp 3についても例外ではなく、2万円を下回る金額で購入しやすいのですが、その分、アンプ・シミュレーターとして一世を風靡したLine6 Podにはかないません。

どうしても差が出てしまうのは、真空管をシミュレートしたような豊かな歪み、低音域の厚さ、空間系エフェクトのシミュレート具合などでしょう。

Podはヴィンテージ・サウンドの再現度、空間系エフェクターの精度は素晴らしいものでしたが、V-Amp 3はコスト・ダウンをはかっているせいもあってか、差は歴然です。

しかし、ハイゲインなモデルは、差が縮まっていると言えるかもしれません。

特にモダン・ハイゲインをシミュレートしたものは、高音域がよく伸びる良い音がします。

V-Amp3は、インプット・ゲインが2より上がっていますので、Configration Modeでゲインを調整すれば質感が変わっていきます。

値段から考えると、そこそこアンプっぽい音が出せるので、宅録初心者や手軽にDAWでギターを録りたい、という方には良いかもしれません。

見た目からしてもPodを意識しているのでしょうが、アンプの質、エフェクトのクオリティーなど追いついていない点は多いです。

ただし、マルチトラック録音/編集用ソフトとして、Energy XT 2.5というソフトウェアも付属しており、この価格でギターの録音から編集まで行えてしまうというのは非常にお得な1台だと思います。

注意

コスト・ダウンのためか、全体的に作りが安い気がします。

使用するにあたって注意は必要ですが、特に電源コネクターの取付口が破損しやすいので気をつけてください。

また、ノイズ・ゲートが付いていますが、本体に起因するノイズが発生します。

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