ギターを弾く時の小指の問題について言及した記事です。
ギターで小指が短い人・小指が立つ人の対処法
小指が立つ
ギターがある程度弾けるようになってきて、これまで弾けなかった難しいフレーズを弾いてみようとした時に「やっぱり弾けなかった」という経験はありませんか?
その時は左手のカタチをよーく見てみてください。
小指がピンと立っていませんか?
難しいフレーズが弾けない、弾きにくいといった場合は小指を立ててしまっていないか確かめてください。この小指をコントロールすることができれば、プレイの幅が広がっていくと思います。クセで立ててしまうこともありますが、訓練することにとって必ず克服できます。
スムーズな運指には小指のコントロールが重要です。
小指を使いこなすことで弾けるフレーズも増え、さらにギターの魅力を感じると思います。
今回は小指が短い人・小指が立つ人の対処法について解説していきたいと思います。
なんでギターを弾くうちに小指が立ってしまうのか?
これは以前「ギターの小指のトレーニング方法」という記事でも触れましたが、指の神経の構造上の問題と、脳が指へ発する命令系統の問題であるとされていることに関係しています。
これは訓練で改善します。
そしてもう一つ、手に余分な力が入りすぎているというのが大きいです。
腕や肩も力が入りすぎているとスムーズなフィンガリングやストロークができなくなります。緊張せずに適度に脱力することが大切です。
よくカラオケなんかで、マイクを持っている時に小指が立っている人っていますよね。
先日アイドルを引退した「ももち」さんを思い浮かべてもらえるとわかりやすいかと思います。
ももちさんのは演出でありますが、マイクや楽器のように持ち手以外に集中しなければならない場所が多いと、自然な脱力ができない傾向が人間にはあります。
ギターの場合は運指やピッキング、譜面を目で追うなどがありますね。
余分な力を抜くことで腕も疲れません。
そして何よりもスムーズなコードチェンジやフィンガリングができるとメリットしかありませんので、是非身につけたいところです。
それでは、実際の対処法やトレーニング方法を見ていきます。
最大のポイントは「脱力」
小指のコントロールで重要なのが「脱力」です。
では、どうすれば力を抜いてギターを弾けるようになるかというところから解説していきます。
①ギターを弾く前のストレッチ
運動をする前と同じくギターを弾く前も腕のストレッチをすることをオススメします。
ストレッチで筋肉をリラックスさせた後は、準備運動がてらできるフレーズで手や腕、体を暖めていきます。
筋肉をリラックスさせ、腱鞘炎などの怪我の防止にもなります。
代表的なものは
- 腕を胸前に肩の高さくらいまで上げ、手のひらを前に出すような状態にして逆の手で指先を身体の方に引くもの。
- 手の甲をダランと下げて同じく身体の方に引くというもの。
ですね。
前腕の筋肉が引っ張られるような感覚を意識しながらやりましょう。
左手の指と指の間に右手の握りこぶしを挟むストレッチも効果的です。
人差し指と中指、中指と薬指、薬指と小指の間に右手を挟み、右手で指の間を拡げます。
繰り返し行うことで指の開きが広くなる効果がありますが、無理は禁物です。
少しずつやっていきましょう。
指が短い、手が小さいという方も、ストレッチである程度指の可動域が増えるのでオススメです。
②準備体操フレーズ
ここでご紹介するのは左手の準備体操のようなフレーズです。
早く弾くことよりも、指のバタつきを抑えたり余計な力を抜いて小指をうまくコントロールすることが目的のものになります。
意識しながら弾いてみてくださいね。
EX.1
クロマチックスケールの上昇と下降を繰り返すフレーズです。
6弦の1F、2F、3F、4Fと人差し指から小指を使って上昇。
4Fまで弾いたら次は5弦の同じポジション・・・と上昇を繰り返し、1弦4Fまで弾き終わったら今度は4Fから1Fへ向かって下降していきましょう。
ネックを握り込まずネックの裏側に親指を添えるフォームで弾くことと、人差し指が常にネックに触れている状態であることを意識してやってみてください。
テンポはゆっくりで大丈夫です。
目を閉じて指板のポジションを見ないでも弾けるようになれば、かなり脱力して弾けるようになっているはずです!
EX.2
1弦-5-8-7-5--7-10-8-7--8-12-10-8--10-13-12-10--
こちらはAマイナースケールの上昇フレーズで、ロックのリードによく用いられるフレーズです。
ギタリストによっては小指を使わずに弾く人もいます。
小指をわざわざ使う必要の無い部分もありますが、必ず小指を交えて弾いてください。
最初は全てピッキングで音を出し、余裕が出てきたらハンマリングとプリングを交えたり左手だけで音を出すというのもやってみてください。
また、こういったフレーズは実際に弾く前にある程度暗記した方がリラックスして弾けることが多いので是非お試しください。
ネックの握り方によってもフィンガリングも異なってきます。親指がネックの上にくるようなシェイクハンドスタイルといわれるような握り方の場合、小指が低音弦にまでくることはあまりありませんので、指の長さを意識することも少ないでしょう。
小指が短い・・・でも大丈夫!
ギターを弾く人の悩みで手が小さい、指が短いというのをよく聞きます。
- 手が小さい
- 指が短いことで楽譜に載っているコードが押さえられない
- 遠く離れたフレットに指をいっぱいに伸ばしても届かない
- 物理的に届かないものは解決できない
こういった悩みはやはり多いですね。
しかし、手が小さかったり指が短いというのは気にする必要はありませんし、ハンディということもないです。
具体的な対策としてはネックを持つ手の肘を今よりも前に出すことで現状よりも指が開くようになると思いますので、まずは1番簡単なこちらを試してみてください。
他の対処法としてはギターには同じ音程を出せるポジションがいくつか存在します。
弾きにくいフレーズがあった場合は、別なポジションで弾いてみるというのも有効です。
例えば1弦上で展開されるフレーズを2弦で弾けば1弦よりもブリッヂ側で弾くことになります。
フレットの感覚が短くなることで指を大きく開かなくてもよいという利点がありますね。
これは私も弾いてみてしっくりこなかったり、前後のフレーズの流れで弾きやすいポジションに変えるというのをよくやりますね。
また、ギターのネックにもショート、ミディアム、ロングといったスケール(長さ)があるので、手が小さいという方はショートスケールやミディアムスケールのギターを弾くというのも有りですね。
ギブソン系などは太いネックを採用している場合が多いので、フェンダー系などの細めのネックでプレイしてみるのもいいでしょう。ムスタングなどのショートスケールのギターを選ぶのもいいと思います。弾きにくいフレーズがあった場合は楽に弾けそうなポジションを探すなど、解決策はたくさんあります。
そもそもギター自体を変えることになるので強くオススメはしませんが、今後の選択肢として持っておくのも悪くないでしょう。
自分の身体に合ったギターを選ぶ際の参考になればと思います。
小指コントロールは日頃の意識が大切
今回は小指が短い人・小指が立つ人の対処法ということで解説してまいりました。
小指のトレーニングと重複する内容もありましたが、ギターを弾く前段階のストレッチであったり、日頃の心がけも重要です。
そして1番の対処法とはやっぱりギターに慣れるということ、満遍なく全ての指を使ってギターを弾くことです。
自分の身体を思い通りに動かせないストレスは辛いところですが、乗り越えればワンランク上のギタリストになれると思います!
それでも小指を使えない場合は小指を使わないギタースタイルで
小指を使えばギターのテクニックは向上し弾けるフレーズも多くなりますが、では必ず使えるようにならなくてはいけないかと言えばそうではありません。
どうしてもうまく小指を使えない場合は、小指を使わないギタースタイルで進めていけば問題無いです。
有名なギタリストでもそういう人はいます。
一番メジャーな例ではジャズ・ギタリストである故ジャンゴ・ラインハルトで、彼はミュージシャンになった後ひどい火傷を負ってしまい薬指と小指が曲がったまま動かなくなってしまいます。
しかし、彼は人差し指と中指だけでプレイする技術を取得(一部コードは動かない指を押し付ける形で押さえる)、その後数多くの名演を残しています。
また、生きる伝説のギタリスト、エリック・クラプトンもギターソロはほとんど小指を使いませんし、T-REXの故マーク・ボランは人差し指と中指中心でギターソロを弾きます。
さらに言うのであれば、小指が短い人の場合下手に小指を使うより薬指を使った方が、より遠くのフレットに届くケースもあります。
本当に自分が小指を使ってプレイする事が自分にとって正しいのかどうか考えて、それでも必要、もしくは必要じゃないけど小指使いたいと思うのであれば、こちらの記事に書かれている小指を使えるようになるエクスサイズを始めてみて下さい。
指・爪の関連記事